- 2023.08.03
こんにちは、Design Journal編集部です。最近ポートフォリオの作成に取り組みはじめたのでノウハウを書き留めたいと思います。
ポートフォリオってなんだっけ?
そもそも、ポートフォリオって何のために作るのでしょうか。「聞いたことはあるけど、実際は一体どういうもの?」と疑問に思っている人も少なくないと思います。ポートフォリオを簡単に「作品集」と言っても、目的を持って作成しないと転職活動において意味がないものになってしまいます。
ポートフォリオの役割とは
- 自分のスキルや能力を具体的にアピールできる
- 実績の証明になる
- 他の候補者と差をつける
- 仕事のプロセスや問題解決能力を示す
- 自分のスキルや能力を具体的にアピールできる
- 実績の証明になる
- 他の候補者と差をつける
- 仕事のプロセスや問題解決能力を示す
一般的に言われていることはさまざまですが、今まで作ってきたものを並べただけではまとまりがない上に、ポートフォリオを見た人に作成意図が伝わらないため「なにができて、なにをしてきて、なにがしたい人なの?」と疑問を抱かせる結果になってしまいます。
そのため、基本的には応募する職種や企業が求めている人材に対して、自分ができることのアピールや、やりたいこと・挑戦したいことを示すものだと考えています。応募する職種や企業が求めている人材に対して、自分はどうアプローチしたいかを念頭に置いて作成するといいかもしれません。
基本的な構成要素
- 1.自己紹介:どんな人物なのか、デザインに対する考え方やアプローチ方法、専門的な背景など。
- 2.制作物:ウェブサイト、モバイルアプリ、アイコン、ロゴ、広告、パッケージ、ポスター、イラストなど。
- 3.制作物の解説:制作物の解説:制作物の背景、目的、課題、解決策、および結果など。
- 4.スキル:UIデザイナーとして必要なスキル、Sketch、Adobe XD、Photoshop、Illustratorなどのデザインツールや、ユーザビリティテスト、ワイヤーフレーム、プロトタイプ、デザインシステムの作成など。
この中で私が一番迷うのは自己紹介ですね。もちろんポートフォリオは自分のことを全く知らない人が見るものなので、どれだけ客観的に作れているかが重要だと思います。
採用者が見るポイント
せっかくの機会なので、社内の採用担当や面接経験者に、ポートフォリオを見る上で重要視する項目についてアンケートを実施しました。これからポートフォリオを作成予定の方、必見です。
- 作品成果物自体のクオリティやテイスト
- 作品成果物までのプロセス
- スキルセット、使用できるツール
- ポートフォリオ自体のクオリティ
- 仕事に対するモチベーションなど精神面に関する事項
- 応募者の個性を感じられる項目
作品や成果物までのプロセス
アンケート結果で最多を占めたのは「作品や成果物までのプロセス」でした。応募者のスキルやキャリアに問わず、プロセスを見ることで本人の考え方や仕事ぶりが伺える、という声が多かったです。
- 主にプロセスや期間、クオリティのバランスを見ています。特にプロセスは、何をしたかというよりも、どんな要望にどのアプローチから入っていったのかという部分と、どこの部分が応募者のロールだったのかという点がまとめられていると◯。
- 成果物のプロセスを一番重視しています。また、今まではWebサイトで作った方が良いと考えていましたが、Figmaで作成するのも良いかもしれません。実際にデザインの作業をする上で、Figmaの使い方や運用方法が知れて、使用レベルも分かるのでより一緒に働くイメージが湧くと思います。
- 作品やプロセスの説明文を読んでいます。その作品に対して応募者が深く多角的な視点を持って考えているか、どこまでを担当しているかが文面から伝わる部分があるからです。また、作品に対する熱量やコミット力、複数人の場合での立ち回り方、自身の意見の伝え方なども感じ取ることができます。ここの点については面接でも深ぼりすることがあります。
作品や成果物自体のクオリティやテイスト
二番目に多かったのは「作品や成果物自体のクオリティやテイスト」でした。
- 採用したい人物像・求めているものによって、重視している項目は変わってきます。ただ、すべての項目が成果物に現れていると感じるので、クオリティが高いに越したことはないと思います。その次に、応募者の個性を感じられる項目を重要視していますが、実際にお話しすることでわかるので、まずは成果物のクオリティを見ていますね。
応募者のスキル・キャリアによって重要なポイントは変わってくる
デザインラインのマネージャーの沖山さんからは、応募者のスキルや希望するキャリアによって見るポイントが変わってくるとコメントがありました。
職種やキャリアによって、それぞれの工程で応募者が何を、なぜセレクトしているのかが伝わってくると思っています。
UIデザイナーの場合は「作品や成果物までのプロセス」を重視しますし、希望のポジションがアートディレクターであれば「応募者の個性を感じられる項目」も大事です。
「ポートフォリオ自体のクオリティ」は、広い意味で応募者の希望しているキャリアとあわせて納得感があるかどうかがとても大事な項目だと思っています。例えばNotionでプロジェクトを並べただけのポートフォリオでも、合理性や機能性に意識の高い方であれば自ずと納得感が生まれます。対照的にビジュアル体験で見る人を楽しませたり、個性を重視するような作り込んだポートフォリオもまた納得感があります。
作っているものがしっかりしていれば「スキルセット、使用できるツール」はそんなに重視していません。細かいことは面接で会話すればいいと思いますし、そこまでのアウトプットがちゃんとできる人は新たにツールを覚えることも難しくないと思うからです。
その他
アンケート項目以外で見ている点についてもいくつかコメントを紹介します!
- 自己紹介や作品の説明が客観的にできているかを見ています。実務でも同じことが求められるため、全く初対面で何も知らない人が読むという前提に立てるかどうかが重要です。
- 休みの日の過ごし方や好きな音楽なども記載されてると、その人の個性が多少なりとも分かるので親しみを持てます。
- ポートフォリオの目的に沿わない「とりあえず載せただけ」のデザインがないかもチェックしています。
- ポートフォリオに掲載しているプロジェクトの目的と、提供した解決策が論理的でわかりやすくまとめられているかを見ています。ここが明快にまとめられていると、応募者本人がプロジェクトを主導したか、または深い高い理解に基づきプロジェクトに従事した印象を持ちます。
意外と重要なのは、私たちは基本的に紙媒体のポートフォリオではなく、デジタルデータでのチェックをしているということです。
ファイルが重い・広告を挟むスライドショー・パスワードが必要なのに送られていない・モニターで見ると小さすぎる…などといった閲覧体験の低いものはそれだけでマイナスポイントになります。
見づらいという感想だけでなく、UXのデザイン性が低いという評価になってしまいます。モンスターラボにとってデジタルでのコミュニケーションこそがとても大切なので、そこも作品の一部だと思ってもらえるとうれしいです。
まとめ
とても参考になるアンケート結果となりました!
採用者の判断軸として重要なポイント
- ポートフォリオ自体が読み手や採用企業のことを考えて作成できているか
- 成果物までのプロセスやプロジェクトでの役割が読み手に伝わるよう客観的に記載できているか
- 掲載している成果物のクオリティは応募する職種やポジションに見合ったものになっているか
また、ポートフォリオを見た採用者に「この人に会って話をしてみたい」と思わせることも大切ですね。
これらを意識してポートフォリオを作成できているか、いま一度チェックしてみましょう。
Monstarlabで一緒に働きませんか。
UI/UXデザインに関するご相談や、
案件のご依頼はこちら
-
by Monstarlab Design Journal
Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
- Share this article: