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A.C.O.社長コラム

パワフルさと繊細さを兼ね備え、個人の能力を最大化できる会社になるために

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個人が本気でやりたいと思ったことはだいたいうまく行く

こんにちは、代表の倉島です。コラムを書くのは約2年ぶりになります。

2020年、大きな変化にとにかく振り回された年でしたね。約10年前、東日本大震災で大手企業や政府のリーダーシップが機能せず振り回された当時と、ちょうど今の状況が重なり思い出しました。そういうわけで、今年こそは自ら振り回してやろうと意気込んでいるところです。

この1年を経て、改めて「リーダーシップ」について考えるようになりました。もしカリスマリーダーがいたとしたって病気や事故だったり、不正発覚が見つかれば即終了。そんな不確実なものをあてにするんじゃなく、わがままな個人の利害が一箇所に集合してもそれを受け止めて個々を最大化できる組織でないと、ここから先は持続的に成長できないと、つくづく思いました。

見方を変えれば、個人の能力を最大化できる会社は多様な視点が手に入るため、どんな状況でもちゃんと冷静に本質を見極める強さを持つ。だから危機を乗り切るついでに業績を伸ばすことだって十分可能なんです。

A.C.O.は東日本大震災後にメンバーのアイデアをどんどん行動に移しました。全社リモート推進、UXデザイン事業、ロンドン拠点、そして2018年にモンスター・ラボグループへジョイン。これらはほぼ全てボトムアップでの発案ですし、実行もある程度主体的に動きやすいように任せています。結果、会社に寄りかかる個人より会社を利用してやれと思う個人の方が活躍できる会社となっていきました。

個人がやりたいと思ったことはだいたいうまく行くものです。大概は問題の本質を突いている。逆に、配慮やしがらみでやるものは失敗することが多かったりします。因みに私が起案実行したプロジェクトは、いろいろなことに気遣いすぎて失敗してしまうことも多いです(笑)。

ですがもし仮に失敗しても、個人が成長すれば組織にリターンがある。そういうことをやっているからか、A.C.O.には長く在籍しているメンバーを突き上げるように、今でも若いメンバーからアイデアの突き上げが絶えません。早くやれ!というように(笑)

オフィスの様子

2020年の春には、リーマンショックのような大不況がまた来るのかなぁと内心震えながら目先のことに対処するだけで精一杯でした。にもかかわらず、こんな状況下でも2020年が終わってみれば業績は堅調。メンバーの頑張りはもちろん、その能力も想定を超えてレベルアップしたからです。加えて、危機のときのモンスター・ラボの実行力とDXの波に乗ったマーケティング・営業力には脱帽です。グループ内の課題はまだまだ山積みではありますが、2020年ほどグループにジョインして良かったと思ったことはありませんでした。

振り返ると、どれも自分で何か旗を振ったわけではない。自分だけじゃなくても十分にやっていけるのね、と知らされました。ですがこれこそが持続的に成長する組織の理想なんです。

じゃあ私はというと、目先のことよりも今後の戦略をつくるべきなのですが、何をすべきかわからない。ならばとにかくメンバーとなるべく対話してみようと役員で手分けしてスタッフと1on1を実施したり、アンケートを取ったり、あの手この手で現場の声を拾い集める日々です。

何が見えてきたかというと、戦略だとか方向性だとかのアウトラインを描くよりも前に個々の意見を点として集合させてみる方が、会社の全体像がダイナミックに浮かび上がるんじゃないかと思いました。絵本の「スイミー」のお話ようなイメージです。まだ道半ばですが、徐々にそれが見えてきています。このやりかたは10年前の経験が元になっています。経営陣が頭を捻ってる時間があったら頭を切り替えてファシリテーターになれ、ということですね。

オフィスは、寺になる

緊急事態宣言中の4月末、A.C.O.は13年ぶりにオフィスをこっそり移転しました。自分たちの場所を自分たちでつくる、ということで企画されたメンバー参加のDIYイベントは頓挫してしまい、仕方なく常勤取締役3人で出社してコツコツつくりました。「おっさん3人で今さらスタートアップかよ!」とツッコミあいながら(笑)

オフィス移転作業の様子

オフィス移転作業の様子

その後、全員在宅勤務が続いたものの解約するわけにもいかず、オフィスを維持する意味をこじつけるために、半年くらいは一部の出社する人たちを観察し声を聞いていました。そこで浮かび上がったのは、「オフィスとは、気持ちのスイッチを切り替えるために足が向く場所であり、組織のつながりを自ら感じ取りに行く場所である」というそれなりの価値でした。これってなんだか「お寺」と似ているな、と思ったんです。

いつも目まぐるしく変化するこの業界にいると、どこかで自分だけ乗り遅れてるいんじゃないかという焦りや不安がつきまといます。仮にもしオフィスに行かなくても、いざとなればメンバーやクライアントと集まる場所があるよ、ということが頭の片隅にある存在。オフィスはそんな心の安心感を支える存在になろうとしています。 心の支えとしてのオフィスはこれまでとは違う、新しい役割を持つ重要な存在になりそうです。

パワフルさと繊細さを兼ね備える

A.C.O.ではこれまで、社内外に向けて『自分の足で立つ人を、増やす』というメッセージを伝えてきました。それまではそうあるべきだという理想がありましたが、今ではもうわざわざ言わなくても良いほど当たり前になったなと感じています。個人がどんどん成長していることもあるし、社会の流れだなとも思っています。

自立した人たちが集まり、それが掛け合わさってさらに組織として自立していく。その良いスパイラルが続いて組織はどんどん強くなるという循環。個人と会社の利害が一致しているところに人は集まる、ということです。急激な社会構造の変化が起きても、A.C.O.にとっては追い風だと思います。

これからA.C.O.も、積極的に組織を拡大していく計画です。しかし、デザインの質と量は反比例しやすいといわれています。人が多いと出る杭は打たれるし、大人しくなりがち。それでもA.C.O.では質と量の両方を得る必要があります。1つのプロジェクトを大勢でダイナミックに成し遂げたり、小さなプロジェクトを少数で繊細に磨き上げたり、その両方を提供できる組織になれると信じています。ロボットのような量産体制ではなくて、パワフルさと繊細さを兼ね備えた組織でありたいです。

社会課題を解決する会社になるために

言語、ライフステージ、国や地域、宗教、人種、性別など、価値観や環境の違いを超えて一つの組織になることに挑戦するために、必要な経験をコツコツ積み上げています。3年経てばきっと特徴的で強固な土台となれるはず。組織の中に入ってみて周りを見渡せば面白そうな人がたくさんいるな、と思える組織。多様性の広がりは、前向きに受け入れるべき未来です。デジタルテクノロジーは社会の構造を変えることも人生を左右することもできますが、社会や人生や中に盲目的にその世界を受け入れたら危険なんです。無防備にデジタルテクノロジーが増殖することに加担することも、不幸な世界に向かうと思うのです。

デザイナーの役目は、今までと比べて随分変わりました。今まで以上にビジネスサイドとの関係性も強固になり、クライアント企業に貢献しています。ときには技術と社会のバランスを取る役目も担うことがあります。だからデザイナーには、健康的な未来を想像し、倫理観を持ち続ける能力が求められています。ただそれらは組織だけで制御できると思えない。だから個人が本気で純粋な意志を持つことが必要なんです。クライアントに「高い!」って言われようが、営業に回りくどいと言われようが、デザイナーは社会課題を解決するという荷物を背負っている。ちょっと重いですかね。だから、A.C.O.はせめてその荷物を個人に代わって背負うために宣言しておきます。

A.C.O.は、社会課題を解決するためのデザイン会社です。

さいごに

A.C.O.は高い経験値とたくさんの案件に携わっている割には、知名度が低いのが課題です。A.C.O.の魅力が伝わり「ここに入りたい」と思ってもらえるなにかをアピールしないと集まってもらえない。やりがいとお金と、もう一つ「入りたい」魅力を伝えていきたいです。こんな欲張りな計画のキックオフの年にしたいと思います。

オフィス風景

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by Yoichi Kurashima

東京芸術大学美術学部建築学科卒業。設計事務所を設立。代表取締役退任後、A.C.O.創業と同時に入社し、2002年同社代表取締役に就任。クリエイティブディレクション、マーケティング、コンサルティング担当。

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