- 2020.07.10
こんにちは、デザイナーの藤川です。A.C.O.は2020年4月に五反田から恵比寿にオフィスを移転しました。
オフィス移転の目的は、メンバーの増加に伴いキャパシティを増やすこと。また移転先はグループ会社のモンスター・ラボと同じビル内になるため、お互いのコミュニケーションが加速することにも期待しています。通常、オフィスのデザインはまるごと建築設計事務所にお任せすることが多いと思いますが、A.C.O.では社長・役員から現場のデザイナーまで現場メンバーが総力を上げてオフィスのデザインを創り上げました。今回はそのプロセスをお届けします。
今回、オフィス移転プロジェクトに関わったメンバーは下記の通りです。
プロジェクトリーダー:倉島(CEO)
設計担当:James(CCO)、石井・藤川・沖山(デザイナー)。それぞれ建築やインテリアデザインをルーツに持つデザイナーです。
引越し担当:岡田・加瀬・紀平(バックオフィス)
設計編
2019年12月、オフィス移転プロジェクトがスタートしました。
まずはコンセプト作りから
まずはクリエイティブディレクターであるJamesを中心に、各々気になった空間やインテリアをスクラップし、それらを共有するところからスタート。そこからムードボードを制作し、何度かミーティングを重ねながら、大まかな空間の方向性やどんな場所にしていきたいかを決めていきました。




また、各部署から何名かのスタッフに協力してもらい、ワークショップを実施。今のオフィスのいいところ、残していきたいもの、改善したい点などをピックアップした上で、新しいオフィスにどういう機能・場所が必要なのかを決定していきます。


社内で行ったワークショップの様子
レイアウトの案出し
コンセプトが決まったので、ここからはいよいよレイアウトプランの検討です。
まずはJames、石井、僕の3人で手書きのラフを制作し、いいと思ったレイアウトをピックアップしながらデジタルの図面にしていきます。(もちろん誰もCADソフトなどは持っていないので、デザインツールのSketchを使って制作しました。)



試行錯誤を重ねたレイアウト案の一部
3Dモデリング
レイアウトがある程度決まってきた段階で3Dモデリングを行い、実際の空間に近い形で再度プランをブラッシュアップしていきました。モデリングをしてみると意外と圧迫感のあるところや、うまく使えていない場所が見つかったりで、わざわざ時間をかけた意味があります。この時、同時に壁の色や素材なんかを実際のサンプルも見ながら決めていきます。

実際の3Dモデリング
DIYの図面作成
今までの五反田オフィスでは、多くの家具をDIYで制作していたのですが、恵比寿のオフィスでも、家具はDIYで制作することに。一通り平面でプランの検討が終わった段階で、家具の図面もあわせて制作しました。
角度をつけることで、視線がぶつからないように設計したデスクや、個室のように使えるセミパブリックなブースまで。コンセプト制作やワークショップで出てきた意見を家具にも反映させていきます。



フローリングや家具ショールーム見学
ここまでの作業以外にも、フローリングに使う床材を決めるため、TIMBER CREWさんの工場に見学に行ったり、家具のショールームにソファーやマットを見に行ったり。 様々な素材のサンプルを取り寄せて見積もりを取ったりと、やることはたくさんありましたが、普段の業務と並行しながら、妥協せずプロジェクトが進んだことに、メンバーの本気を感じました。



工事〜引っ越しへ
ここからは岡田を中心として、バックオフィスのメンバーが活躍しました。メインで担当したのは元ディレクターの岡田さん。現在はバックオフィスで組織づくりに取り組んでいます。
岡田-
主な役割としては進行管理、定例ミーティングのファシリテーション、各関係者との窓口担当など、久しぶりのディレクターという感じでした。プロセスはWeb開発と似ていたのでそこまで不安はなかったのですが、建築関係はズブの素人。なので今回の工事を担当してくれた東急不動産の担当者さん、倉島さん、JBに置いていかれないようにしがみつくのに必死でした。
特にプレッシャーだったのは、扱っていたものが壁や扉といった手に触れることのできる、物理的なモノだったということ。ミスをしたらコスト・スケジュールともWeb以上に影響が大きいものです。実は多少のミスもありましたが、なんとかリカバリーできる範囲だったので幸いでした。

工事前の打ち合わせ風景
こちらが新オフィスの工事に入る直前の打ち合わせの様子。各仕様を現地で最終確認しています。既存の什器を搬出してる中で行われました
旧オフィスの荷物まとめ風景。新型コロナウィルスの影響でオフィスにいく機会が減ってしまい、五反田を離れる心構えができていない中で荷物をまとめていくのは不思議な感じがしました。




そうこうしているうちに無事工事も終わって、最終チェック。

最終チェックの様子
引き渡し完了後、DIYデスクや照明のDIY。役員が肉体労働してる姿は新鮮です。

引渡し後すぐのオフィス
新オフィスに移転して
新しいオフィスのデザインでは、エントランスや休憩スペースは豪華だけど、執務スペースは案外普通…ということにならないよう、隅々までこだわり抜きました。コミュニケーションのとりやすい席から一人で作業に集中できる席まで、さまざまなゾーンがあります。
A.C.O.はフリーアドレス制のため、その日の気分や作業内容に応じて最適な席を選べます。また、ずっと使う床材は無垢材を使用。照明は既存の蛍光灯を一切使わず、すべて新設しています。こういったこだわりは、また別の機会に詳しく紹介したいと思います。
とはいうものの、A.C.O.では新型コロナウィルス対策としてリモートワークが推奨されており、新オフィスを活用している社員はまだまだ少数なのが現状です。現在進行系でリモートワークでできることと、物理的なオフィスの存在意義を見直しながら新しい働き方を試行錯誤している真っ最中ですが、一日でも早く気兼ねなくオフィスに集まれる日が来ることを祈っています。





Guest
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Masato Okada
岡田 真人・WEB制作会社にてコーダーとしてキャリアをスタート。スタートアップのデジタル戦略や運用設計などの業務に携わり、現在に至る。
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by Yusuke Fujikawa
日本大学理工学部建築学科卒業。東京デザインプレックス研究所卒業。フリーランスを経て、現在に至る。デザイン部所属。
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