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“ととのう”は設計できるか?サウナブームをデザイナー視点で考える

こんにちは、UXデザイナーの方花音です!週2でサウナに通い、モンスターラボのサウナ部部長をしています。 最近、「第三次サウナブーム」と言われるように、サウナが著しく進化しています。 数年で一気に楽しみ方が変わった印象があります。

例えば、ドラマ化もされた「サ道」によって”ととのう”概念が広まったり、「サウナイキタイ」をはじめとするアプリやSNSで”サ活”体験が共有されるようになったり…

今までの「お風呂のついでに入るもの」から、「体験するもの」としての変化が凄まじいです。つまり第三次サウナブームは、単なる利用者の増加ではなく、”体験の解像度”が高まったことが本質ではないかということで、体験設計に着目して今回記事をかいてみました!

“ととのう”体験とは?

まず、サウナでよく聞く「ととのう」について、フローに分解して考えてみましょう。


“ととのう”とは?
身体はリラックスし、頭は興奮した状態のこと
高温のサウナと水風呂による超温冷交代浴は、その温度差からもわかるとおり、実は身体に負荷をかける行為です。その結果、体内は交感神経が優位となり、アドレナリンなどの物質が放出された状態に。そして、そのまま外気浴や休憩へ移行すると、神経は副交感神経の優位へと速やかに切り替わりますが、アドレナリンの代謝には時間がかかるため、体内に残ったまま。つまり、身体はリラックスしているのに頭は興奮中となるのです。この高揚感が得られる感覚を「ととのった」と表現するのです。ただし、この状態が続くのは、アドレナリンが代謝されるまでの約2分間だけです。
(過去記事から引用:https://design-journal.monstar-lab.com/sauna-driven-life-designer/

整理すると、“ととのう”は単純な行為というより、一つの流れの中で状態が変化していくプロセスと言えそうです。 まずサウナで体温を上げて身体に負担をかけ、次に水風呂で一気に状態を切り替え、最後に外気浴で身体を休めて状態を安定させる。

このように、刺激→切り替え→回復 の段階的な遷移の中の、連続的な体験を“ととのう”とします。

“ととのう”をどう設計しているか

最近話題のサウナ施設を体験して感じる設計パターンをみていきます。

1. コンセプト設計
どんな体験をさせたいか、どんな状態変化を起こしたいか…リラックスか、覚醒か、没入体験か、この方向性をどこにおくかが根底のコンセプトになります。

2. 空間デザイン
光の取り入れ方、素材と質感、音の響き方、調香など、五感のトーンを揃えることで、体験としてのまとまりを作り、 ととのいやすい状態にしています。

3. フロー設計
サウナ室から、水風呂、外気浴(休憩所)の流れを、緊張を緩めることなく自然な状態で次のフローに行けるよう設計されています。

体験設計が素晴らしい、おすすめサウナ

ここまでの観点で、素敵な体験設計がなされているサウナを3つ紹介します!

①【殿堂入りの体験型サウナ】らかんの湯(佐賀)


引用:https://www.mifuneyama.co.jp/rakan.html

サウナシュラン殿堂入りの「らかんの湯」は、「芸術空間でのととのい体験」をコンセプトにしたサウナです。

歴史ある源泉露天風呂に加えて、石ストーブや薪サウナ、薬草スチームなど複数のサウナ体験が用意されており、チームラボによるアート演出も特徴のひとつです。

外気浴では星空を眺めることができ、非日常的なリラクゼーションが体験できます。視覚や音、香りといった要素が空間全体で統一されていて、どこにいても体験のトーンが途切れにくい設計になっています。

②KIWAMI SAUNA大須(愛知)


引用:https://kiwamisauna.com/about

「極上の“ととのう”体験」をコンセプトに、光と影・音響・薬草やアロマの香り、木材の感触に妥協なき設計を施しつつも、装飾や情報量は最小限にしたミニマルな空間のサウナです。

光や風といった自然の要素を活かした設計になっています。余計なものが少ない分、外界からの情報が遮断されて、意識が内側に向きやすい。静かに没入していくような“ととのい”が体験できます。

空間が主張しすぎないことで、逆に体験そのものに集中できるタイプのサウナで、ノイズを削減することで没入を生む設計になっています。

③SAUNAS(渋谷・高輪)


引用:https://saunas-saunas.com/

SAUNASは、「都市の中でリトリート体験を再現する」ことをコンセプトにした都市型サウナです。複数のサウナ室が用意されていて、それぞれ温度や湿度、空間のつくりが異なり、体験にバリエーションがあるのが特徴です。

照明や音、香りといった感覚的な要素がコントロールされていて、入った瞬間に外界との違いが明確に感じられます。そのため、短時間でも日常から切り離された状態に入りやすく、しっかりと没入できる空間になっています。


こうして見てみると、“ととのう”という感覚は偶然の産物ではなくて、考えられた流れの中で生まれる体験であることが分かります。

最近のサウナ施設は、この体験の質を高めるために、コンセプトや空間、動線まで含めて設計されています。そう考えると、サウナは「気持ちよさをつくる場所」以上に、「状態の変化をデザインする場所」なのかもしれません。

今回はサウナ施設でしたが、良い体験には、隠れた誰かの設計意図があるもので、それを見つけるのが、UXデザイナーとしての密かな楽しみだったりします。

今度サウナに行く機会があれば、「どうやってととのわせてるんだろう?」と考えながら過ごしてみてください。

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by Kanon Ho

東京女子大学現代教養学部卒業。広告代理店でのインターンを経て2024年にモンスターラボ新卒入社。UX/UIデザイン領域で世の中が楽しくなる仕掛け作りを探索中。サウナ部部長。

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