- 2024.09.27
私たちモンスターラボはDXを通してクライアントが新たなビジネス機会を得ることに専門性をもって戦略提案そして実行支援する会社です。 専門分野を大きく分けると、ビジネス・テクノロジー・デザインのいわゆるBTCの三つであり、この記事ではデザイン-Creativeのソリューション、その組織とそこから見える今の在り方と役割をお伝えします。
組織編成の模索
私はデザイン組織のマネジメント業務において、ここ3年連続で組織の再編や仕組みの刷新をしています。ですが、前提として組織構造は一つの型を一定の期間継続させて環境の変化にザワザワしないで集中できる ”あたりまえ” であるべきだと考えています。
にもかかわらず編成替えをしている理由はその時々で異なり、パンデミックをうけて自律型の組織化が必要であったり、会社の組織統合があったりと、その都度必要不可欠な課題解決策でした。その中で、今までより積極的にあるべき姿を見越しての統合再編をしたのが、今年(2024年)のビジネスデザイン組織と統合するというチャレンジでした。
クオリティを求めるほど拡がる領域
モンスターラボのデザイン組織は、もともとデザインコンサルティングファーム(A.C.O.inc )出身のメンバーも多い人員構成で多彩なデザイン専門人材が在籍しており、だからこそデザインとしての担当領域も幅広いです。
特に「UXデザイン」という領域はスコープが広がりつづけ、プロジェクトの中で求められるもの、期待されるものが増えていきました。UIデザインも、アートディレクションもUXデザインを担う部分があり、そうなるとUXデザインなるものが、もはや抽象的で境界不明瞭な使いづらい単語になっていく感覚がありました。その中身は誰がどうやって何をやるのか?何を期待されているのか?これが複数解あり、都度自分たちなりに整理する必要があります。
「ユーザー体験価値を創造する・サービスデザイン」というお題はUXデザイン業務の本丸であり、代表的なリクエストです。中身はご存知の通り、ターゲットニーズを調査し、仮説検証を繰り返しながら体験設計を行い、タッチポイントのデザインに繋げていく…などといったところです。 これらをまとめてユーザー中心設計といい、その言葉通りモンスターラボのデザイナーもユーザーや人を中心にUXのデザインをしていきます。
しかし、DXによってビジネス変革をしようという顧客のパートナーとして、「ユーザーファーストで作れればよく、ビジネスが成功するかどうかはコミットしない」といった姿勢でいいはずもありません。ユーザーが本当に欲しいものを作れば売れると言い切りたいところですが、実際に作っているとそんなにシンプルな話ではなく、切り離せないビジネスの設計が求められるようになります。
もう一つのデザインチーム
ビジネス設計の必要性は今になって露見してきたわけではなく、当然今までにもありました。その内容はサービスプロダクトの収益モデル策定やパートナーシップ戦略、データ活用やPLを意識したサービスポートフォリオの設計など、サービス事業を作る上では必要不可欠ですが、従来モンスターラボではこの分野は「ビジネスデザイン領域」としてデザイン組織とは別の部署で担当していました。
そして、そんな彼らも同じ時間軸で「ユーザー体験をあわせたビジネス戦略」が必要であり、もっと知識が必要で同時に考えたいという課題を感じていました。
昨年の時点ですでに部署やロールに捉われず越境していたメンバーもおり、一つのロールモデルに見えてきました。両部署のリーダー同士で集まると欲しい人材や評価基準も被るところがあり、その頃から一つになるシナジーがみえてきたのです。
求められるのは綜合力
この共通の課題感の要は、従来通りプロジェクトチームで連携して提案・実行する、でもいいのですが、きれいに担当分けすることができないケースが多く、可能であれば同一人物でそれができるといいというようなまさに「綜合性」を求めるものだと捉えています。
当たり前ですが、これまで二つに分かれていた部署をひとつにしたら一人が両方できるようになるわけがなく、足して2で割るイメージでもありません。それでも私たちは2024年から「クロスファンクショナル」というキーワードを共通のテーマにして一つの組織として動き出すことにしました。グループ名は「Strategy&Design」(以下S&D)です。
46人で構成された組織内に5専門ロール(以下多い順)
- UIデザイナー
- UXデザイナー
- アートディレクター/ブランドデザイナー
- ビジネスストラテジスト
- データアナリスト
そしてロールミックスした6つのチームと、またそれとは違う組織課題ごとの6つのサークルがあります。専門性の違うメンバーが集まり会話やコミュニケーションが始まります。 この協業・共創によって情報流通の機会を増やし、自分とは違う担当者ではなく、同じ組織で同じ目標をもったメンバーだという意識改革からのチャレンジです。
半年経ち、驚くほど順応性高く一つのコミュニティとしてのアクションもあれば、それでもやはり専門性に関しては混ざりきらないところも多くありますが、(悪い意味ではない)、新鮮なインプットが増えていることは間違いありません。
戦略立てやデザインを手段とし、不確実性の高い時代性の中で、それを楽しむかのように工夫し、共感や観察、直感や感性をフル稼働して日々インプットを続けることで、イノベーティブなアイデアを出し、設計していくこと。これが私たちS&Dメンバーの役割です。
もちろん、 組織そのものについても、この役割が最大化できる環境をつくること、これもまた大切なデザインです。
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by Naoko Okiyama
グラフィックデザイン事務所を経て2008年よりA.C.O.(現モンスターラボ)に入社。アートディレクターとして、多くの企業ブランディングやアートディレクションに参画。デザインコンセプトのご提案からブランドの世界観作りを担当。2016年からは同社のデザインチームのマネジメントを担う。
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