- 2016.02.22
日本と海外で違うクライアントとの関係性
Hello there! A.C.O.編集部です。多くのグローバル・WEBサイトをデザインしているA.C.O.では、業務を通じて、日本と海外の文化には大きな違いがあると日々感じています。今回、様々な違いがある日本と海外の考え方をビジュアル面でご紹介するため、日本と海外のクライアントと制作会社の関係性の違いをリサーチしました。
前回の記事(広告からみる、世界と日本のクリエイティブのちがい)では、三つの異なる商品の広告を紹介しました。これらの広告から分かってきたのは、海外では既存の枠に囚われず、シンプルなメッセージを斬新なアイデアで上手く伝えています。それに対し日本では、一番安全なやり方でメッセージを伝えています。悪く言うと保守的な考え方ともいえます。
なぜこんなに考え方が違うのか? 西洋の友人たちをみているなかで、アジアと西洋のある違いに気づきました。おそらくこの考えに対して納得しない人もいるかもしれませんが、今回は日本人と西洋人の違いについて考えてみたいと思います。
クライアントとの関係性(日本の場合)
日本の会社で働いてる友人と話しているなかで気づいたことは、多くの日本人にとってクライアントは神様のような存在だということです。もちろん、例外はあります。クライアントを満足させるため、正しい正しくないかに関わらず、クライアントからの要望は全て受けとめて従う。
面白いアイデアがあっても、要望を優先してしまい、枠からはみ出すことができず、なかなか実現しにくい。クライアントと一緒に面白いアイデアを考え、一緒にいいもの作るより、指示に従いクライアントの要望どおりのものを作ります。
クライアントとの関係性(海外の場合)
それとは対照的に、海外の会社にとってお客様は神様ではありません。全部の要望を受けるわけではなく、クライアントの要望を理解しながら、自分の意志や、アイデア・発想などを含めて考えています。ここで昔読んだ文章の中で、印象的だった言葉を紹介させてください。
「クライアントはお金を出す人ですが、アイデアを考えたりデザインはできないので、デザインの会社に頼みます。デザイナーやクリエイターはこの信頼をうけて、自分の専門知識とクリエイティブで、クライアントのビジネスがより成長するよう尽力します。クライアントとクリエイターはお互いに必要な存在です。どちらが神様ではなく、平等な関係です」
西洋人はこのような考えを持ち、既存の枠から飛び出して、面白く斬新なアイデアでクライアントのビジネスの成長を助けます。「なぜ、仕事の時間を楽しく過ごさないのか」「なぜ、クライアントの指示だけに従っていてるのか?」「起きてる時間の7割以上が楽しくないのはおかしい」と思っています。
保守的な考えがいいか、大胆な考えがいいか、正解はない
日本人と西洋人では、なぜクライアントとの関係に大きな違いがあるのでしょうか。これはおそらく日本だけではなく、アジアと西洋の教育の違いだと思っています。アジアの教育では、「これをしちゃだめ」「あれもだめ」「だめ」といわれることが多い。この「〜しちゃだめ」の考えは頭のどこかに残りつづけ、考えを既定の枠のなかに押し込めてしまうのです。
それに対し西洋の教育は、よく「なぜしちゃだめなの?理由は?」「してみてもいいじゃない?」といわれます。わからないことがあっても、逃げずにちゃんと考え、解決します。私は外国人ですが、結局アジア人なので、考えも保守的だなと思っています。西洋の友人と交流すると、やはり西洋人はアジア人より大胆だなと感じます。
同様に、西洋の人は自分の心に従い、リスクがあっても自分の気持ちと違う選択肢を選びません。それに対し、アジア人はあまり好まない選択肢でも一番安全な方法を選びがちです。もちろん、保守的な考えがいいか、大胆な考えがいいか、正解はないと思っています。大胆過ぎても失敗したり自己中心になる可能性も高いですし、保守的すぎても、何もできません。一番大事なのはこれを理解して両方のバランスをとることだと思っています。
同じことでも、違う視点、違うやり方で、全く違う結果に。
The same thing, different point of view, different way, different result.
文化的な違いや、教育環境の違いはあるものの、自分が他の考え方を受け入れるかどうかは凄く重要な要素だと思います。「私は日本人だから」「私はアジア人だから」…といった考えを捨ててれば、色んな思考を受け入れ、少しづつOpen Mindになるかもしれません。日本にいる西洋人もアジアの考えを理解して、お互いにバランスをとって、もっと面白くて、だれもみたことのないようなものを作れるかもしれないですね。
POWER OF NO〜NOという勇気〜
A.C.O. Compassという社内プロジェクトでは、デザインに対する考え方をビジュアルやコピーで可視化しています。クライアントのリクエストを全て受け入れるのではなく、NOという勇気を持ってぶつかり一緒に解決するというのもCompassの1つです。
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Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
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