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「いけばな」に潜むデザイン ー「いけばな」から学ぶデザインメソッドー

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自分の身近にある「いけばな」からデザインを考える

こんにちは、A.C.O.編集部です。デザインを説明する時やより理解を深めようとした時、何か別のものに例え説明したりすることが多いと思います。僕が、よく耳にするのは料理にたとえる話。食材や手順が悪いと、いい調味料を足したとしてもいい料理はできない。同様にデザインも要素がちゃんと定まってないといいデザインができないといった具合です。

おそらく、料理というものが人々の身近にあるからより想像つきやすいのだと思います。今回は料理ではなく、自分の趣味の「いけばな」を通して、デザインを紐解いていきます。

デザインロジック – モノゴトを組み立てる前のプロセス

モノゴトを組み立てる前

サイトを作る前って色々考えますよね

「いけばな」は割と感覚でやってるんじゃないの?と思われがちですが、実はそうではありません。長さや、差し込み位置、角度などすべて決められて、理論でガチガチに固められているのです。とはいえ、同じ花材、同じ型でいけても人やいける思想によって作品にはかなり差が出ます。デザインも同じことが言えるのではないでしょうか。

例えば、花材。デザインにおける、タイポグラフィや配色といったところでしょう。何も考えずにいけるのではなく、花や枝一本一本で表情が異なるので、360度回しながら、一番美しい表情の位置を考えながらいけていきます。また、無駄な葉を整理し枝ぶりの力強さや花が持つ雰囲気を整理したり、色が強すぎるものは少し花びらをとってバランスを整えたりもします。そうすることで、余白が生まれ、情緒ある作品に仕上がります。

デザインにおいて同様で、なぜこのタイポグラフィなのか?なぜこの大きさなのか?なぜこの配色なのか?を企業の目指す方向性やヒアリングした内容を元に、要素を見つめ組み立てていくかと思います。組み立ていく中で、無駄な要素を省いていくことでその企業らしさや本来伝えたいことにフォーカスが当てられます。余白を作り出すことで軸のしっかりとしたデザインが生まれ、そのデザインはユーザーにとって良い体験を提供します。

「いけばな」も「デザイン」も各要素の意味を理解し、ロジックを組み込むことで統一感が出てきます。

カラー設計 – 配色にみる、デザインとの繋がり

2-3種類の花を用いていける場合によく起こるのが、全体の調和がとれてない状態。花同士が馴染まず、それぞれがバラバラして見えてしまうことがあるのです。大体の場合は花同士のつながりがなかったり余白が空きすぎているため、同系色のものでつなげたり、葉同士を重ね近づけることで調和をとります。
また、根締まりがよくなり、土台がしっかりしてバランスが整い良いものになります。

デザインの配色においても、同じことが起こりえます。その時の解決策はやはり「いけばな」と同じ。メインカラーの色を使って全体を整えたりします。例えば、画像にメインカラーの色味を引いて全体のデザインになじませたり、文字色もメインカラーの色味を足した色味を使ってあげたりといった具合。そうすることで、デザイン全体に調和が生まれ統一された体験をユーザーに与えることができます。

配色について画像

左:メインカラーを使って画像やイラストをなじませている。右:葉の緑でそれぞれの花を繋いで一体感をだしている

レイアウト設計 – 白銀比と黄金比、構成の成り立ち

デザインにおいて全体の構成はとても大切な要素です。ディテールを細かく見て考えを巡らせても、全体の構成がしっかりとしていなければ、全て台無しになってしまいます。「いけばな」においても、花や枝、全体の配色のつながりをどうするかといったディテールを考え自分勝手にいけてしまうと、まとまりがなかったり、変に窮屈だったりとバランスがおかしいものになってしまいます。ここで、大事となってくるのは構図つまり『型』です。

「いけなば」における型は、日本的な美意識を反映させたもの。その時々にふさわしい空間に合わせて、時代ともに変化してきました。中でも、「いけばな」における構図でベースとなるのは、白銀比です。白銀比は差し込みの位置や、花の長さなどさまざまな場所に使われています。

デザインにおいても、同じように構図があり、例えば、視線を重要なポイントへ自然と誘導する手助けるためのフォーカル・ポイント。拡大縮小させたり視覚的な階層をつけて視覚的な重要度を見せる方法、ほかにも三分割法や、グリットシステム、黄金比なども同様です。

構図について

左:黄金比を取り入れサイトのバランスをとり表現。右:白銀比を取り入れて決まった空間に表現

まとめ

改めて、「いけばな」を振り返りつつデザインについて考えると、デザインに通ずる要素がたくさん含まれていることがわかりました。「いけばな」に限らずさまざまなモノゴトにデザインの要素は含まれています。何かをする際にそれをフィルターとしてデザインについて改めて考えてみてはいかかでしょうか。

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