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ただ好きなことを語る

デザイナーが語る「Futura」の魅力

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こんにちは、デザイナーの藤川です。いきなりですが、みなさんFuturaというフォントは好きですか? ルイ・ヴィトンやフォルクスワーゲンに使用されている定番欧文フォントなので、知っている人は多いかと思います。 僕はこのフォントが非常に好きなのですが、今回はFuturaのどこが好きなのかを難しいことは抜きにして純粋に語ってみようという内容になります。だいぶ個人的な好みの話になりますが、お付き合いください。

造形が美しい

Futura

矩形と三角形、(ほぼ完全な)正円をベースに均一なウェイト、コントラストで設計された形態は、“文字”としてというよりも“文字としての機能を備えた造形”として美しいです。

Futura

例えば、小文字でcoolやpoolなんかをFuturaで組むと、文字としてはアンバランスな印象を受けるのに、造形としては美しく不思議な感覚になります。違和感はあるけど心地よく、しばらく見ていられるのでおすすめです。

また、円形がベースのCGOQや、三角形がベースのAMVWを重ねたり反転させて遊んでみると、幾何学的で美しい見た目の中にも、微妙な調整や違いが見つかって楽しいです。

ギャップがたまらない

前述したように、単体の造形が美しいので、簡単にかっこよく文字が組めそうな印象を受けます。ですが、長文は別としてポスターのタイトルのような、ある程度長さのある文章を組むとなると意外と難しく、カーニングや行間を細かく調整しないと思っていたほどのクオリティが出ません。一見軽そうになのに、意外と難易度が高いこのギャップがたまらないですね。

フォルクスワーゲンのポスター

ただ、キマると本当にかっこいい。フォルクスワーゲンのポスターやMuseum Bojimans Van Beuningenのカタログがいい例です。 とくに「1928. Schoonheid en transparantie, logica en vernuft Museum Boymans-van Beuningen」のあえて行間を詰めて組んだようなタイトルのあり方は、Futuraの特徴が完璧に引き出されていて感動しました。

振り幅の広さ

ルイ・ヴィトンとドミノピザのロゴ

ルイ・ヴィトンのような高級感から、ドミノピザのようにポップなものまで、組み方次第で色々な表現ができるのも魅力の一つです。 どんなフォントでも使い方次第で幅のある表現は可能だと思います。 ですが、どんな表現のされ方でもその特徴から一目でFuturaだとわかるのは、このフォントのいいところではないでしょうか。会うたび違う一面を見せてくれるのでますます好きになりますね。

最後に

Futuraはこれまで、様々なタイポグラファー、グラフィックデザイナーの作品の中で使用されてきました。とくに「odermatt&tissi」や「8vo」の作品は、そのほとんどがFuturaで組まれていて、クオリティも驚くほど高いです。この記事を読んで気になった方はぜひ調べてみてください。

ちなみに、この記事を書くにあたって調べてみたところ、現役デザイナー1162名が選ぶ、好きなフォントランキングTOP10で一位を獲得していました。さすがです。

記事を書きながら、やっぱりFuturaっていいフォントだなと改めて思いました。機会があれば、みなさんの好きなフォントも教えてください。それでは。

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by Yusuke Fujikawa

日本大学理工学部建築学科卒業。東京デザインプレックス研究所卒業。フリーランスを経て、現在に至る。デザイン部所属。

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