- 2019.09.18
デザイナーといえば、見えるものを作る人たち。でもA.C.O.では、見えるものになる前から、デザイナーもたくさん動く。クライアントの課題を理解し、その打ち手を考える。そのために、リサーチやアイデア出しにもかなりの時間をかけている。
見えるものになる前の自分のこだわりは、ターゲットの目を持つことだと思う。ペルソナよりもずっと主観的なものだ。
私はもともと人間観察が好きなので、日頃から飲み屋で隣に座っている人の行動を横目で見たり、電車で向かい合った人がどういう生活をしているのか想像したりしている。実際にプロジェクトがはじまったら、より集中的かつ能動的に、資料はたくさん読むし、ターゲットが集まる場所に赴いて観察し、話を聞く。その人たちが好きそうなSNSのアカウントをフォローしてみたり、好きそうな食べ物を食べてみたり、さながら『ガラスの仮面』の北島マヤのように(笑)行動をトレースする。そうすると、だんだんその人達の目が、自分に宿ってくるような気がしてくる。このように、左脳に蓄積されたデータを右脳で処理できるようになって初めて、デザインの作業に入れる。
ターゲットの目が発動すると、それがそのままデザインの思考の軸となる。たとえば、「このパーツの位置は、(デザイナーの目では)ここが一番オシャレに見えるけど、(ターゲットの目では)わかりづらく、そのまま離脱されるかもしれない。でも果たして(ターゲットの目で)グッとくるのだろうか、ハマるのだろうか…」など自然と絶え間なく手を動かしながら、取捨選択ができるようになる。
ここまで読んでもらうと、もしかしたらちょっと…というより相当、怪しく思う人もいるかもしれない(笑)。でも、誰かに「好きだ」と思ってもらうためには、絶対に欠かせないことだと考える。
昔、営業をやっていたことがあるが、自分がその人の目線で心から良い商品だと思っていないと、その商品の魅力を伝えるのは難しいと言われたし、自分自身そう感じていた。小手先のテクニックで、ある程度数字をあげることはできるが、限界がある。そこはデザイナーになった今も同じ考えで、自分がターゲットの目で心から良いと思えるデザインに出会えるまで、妥協はしたくない。
進めやすいプロセスを意識することは大切だし、色々な人の想いや事情も考慮しなくてはいけない。しかし、ターゲットが一番良いと思えるデザイン、そういうものをただ果てしなく突き詰めながら作ってくことを、これからもずっと大切にしていきたい。
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by Ayako Masuda
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、通信大手会社に勤めながら、京都造形芸術大学通信教育部情報デザインコース学士課程を修了。外資系ITコンサルティング会社を経て、現在に至る。デザイン部所属。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F