- 2019.12.10
デザイナーが作るものは最終的なアウトプットが全てじゃない。クライアントの要望やプロジェクトの背景から、デザインの基礎になるストーリーを読み解くことも、デザイナーが行うべき大切な仕事だ。
クライアントから渡された情報を受け取って取捨選択し、優先順位をつけるだけではよいデザインは生み出せない。クライアントから渡されたバラバラの情報から意味を読み解き、付け加え、ユーザーに伝わりやすくするためのストーリーをデザイン制作段階から作り出すことが重要だ。
そのために、僕はこんなことを大切にしている。
一つは、ストーリーを再発見すること。
たとえばコーポレートサイトのリニューアル案件の場合、企業が持っている価値から1つのストーリーを見つけ出す。そのなかには、企業が抱えているビジョンやミッション、歴史や背景、文化などのさまざまな要素が織り交ざる。
今まで伝わっていなかった内容を再発見することで、ブランドをよりよく伝えるデザインは生まれる。
もう一つは、未来を見据えたストーリーを作り出すこと。
再発見ではなく、一から作り出すストーリーもある。新規サービスのように全く新しいものを作り出す場合、過去や現状によって語れることは少ない。ここで必要なのは、未来を起点とした話だ。
未来の話はプロダクトが向かうべき方向を示してくれると同時に、ブランドという見えないものの価値を身近に感じさせてくれる。
この場合のストーリーは、定量的な事実よりも作り手やプロジェクトのメンバーの持つ思いを中心にすることが多い。
そのほうが話が膨らみやすく、具体的な要素が集まってくるのも面白い。それはいずれブランドの中心となり、プロダクトが進むべき方向性にもなり得るため、とても大切な軸となっていく。
このようにストーリーには、いくつもの伝え方がある。そしてストーリーの重要性は昨今、より強くなっている。
多様化するデザイナーの職種の中に、コミュニケーションデザイナーというものがある。あまり一般的な定義ではないが、世界的に有名なドイツのデザイン会社Frogの求人ページにも記載されている言葉だ。Frogのコミュニケーションデザイナーの募集要項には、ストーリーテリングのできる人材と書かれていた。この記載を見て、ストーリーを作り出すことが重要なデザインワークの一つだと改めて確信することができた。
これからもアウトプットを作るために必要なストーリーを、探し、作ることを続けていきたい。そして、そのストーリーがユーザーに届く瞬間を作り出していきたい。
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by Takuya Kobayashi
法政大学キャリアデザイン学部国際社会学エスノグラフィー専攻。東京デザインプレックス研究所卒業。デザイン担当。デザイン部所属。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F