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Staff Stories

「らしさ」を体現するデザインを追求。クリエイティブで人の感情を動かしたい

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「Staff Stories」では、モンスターラボのスタッフを紹介しています。今回登場するのは、デザインラインの益田絢子。企業やサービスの「らしさ」を体現するデザインを追求する益田に、デザイナーを目指したきっかけや、「らしさ」の作り方、デザインの良し悪しの判断方法、そして目指しているビジョンについて聞きました。

Guest

Ayako Masuda

アートディレクター/デザイナー。上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、大手通信会社に入社。働きながら京都芸術大学通信教育部情報デザインコースに入学し、学士課程を修了。2018年、UIデザイナーとしてA.C.O.(現:株式会社モンスターラボ)に入社。

「デザインを生業にしたい」働きながら美大で学び、デザイナーの道へ

小さな頃から絵を描くのが好きで、中学では美術部に入っていました。絵画コンクールで入賞したりもしましたが、それを「仕事にする」という発想は無く、上智大学の社会学科に進学しました。

卒業後は、大手通信会社に入社しました。ある時、外部のウェブデザイナーさんと一緒にサイト制作に携わる機会があったんですが、それがすごく楽しくて…。と同時に、こういう仕事があるんだと興味を持ち「自分でモノを作れるようになりたい」という想いが芽生えました。ちょうどその頃、友人から働きながらデザインを学べる大学があると聞いたんです。「自分にも可能性があるかも知れない!」と感じ、嬉しくなったことを覚えています。

京都芸術大学時代の様子

そして、入社3年目に京都芸術大学の通信教育部に入学。この頃は、制作したデザインを褒められることが、何よりも嬉しかったですね。そして改めて「デザインを生業にしていきたい」という思いを強くしました。

ただ、仕事と学業の両立は、なかなか大変でした(笑)毎日、19時頃に帰宅してから勉強。そして、月に1〜2度は対面授業があり、土日連続で9〜18時頃まで拘束されます。それを一度でも休むと、その年の卒業ができなくなってしまう…。その他にも提出課題があり、しょっちゅう「速達」で送ってましたね。週末に新宿の郵便局に駆け込む…なんてこともありました(笑)

そして在学中に、「UIデザイン」の仕事を目指して転職活動を始めました。唯一、未経験でUIUXデザイナーを募集している会社があり、そこに入社したのですが「最初はSEとして仕事をしながら、徐々にUIデザインのキャリアを築く」という方針に…。Web系のSEと業務コンサルティングを1年ほど経験しました。そこではマネジメントスキルを身につけられたし、今の仕事にも活かせていると思います。ただ、部署移動がなかなか叶わなかったため、再び転職活動をスタートしました。そのタイミングで出会ったのが、A.C.O.(デザインコンサルティングファーム/2023年1月にモンスターラボと統合)です。A.C.O.は未経験者に寛容で、即戦力よりも「人を育てる」というカルチャーのある会社でした。そして2018年、UIデザイナーとして入社しました。

目指すのは「らしさを体現するデザイン」

UIデザイナーの仕事を進めるうち、自分のやりたいデザインの方向性が見えてきました。それは「らしさを体現するデザイン」です。

UIデザイナーとして、ユーザー視点で使いやすさを追求し続けたことは、非常に貴重な経験となりました。その後、アートディレクターとしての仕事にも携わるようになりました。企業やサービスをより魅力的に見せ、関わる人々にそのブランドへの共感を呼び起こすようなビジュアルデザインを思索する仕事に、自分自身、夢中になっていくのを感じました。

「魅力的に見せる」と言っても、ただお洒落でトレンドに乗ったものをデザインすれば良いわけではありません。

人で例えると、分かりやすいかも知れません。いくらセオリー通りの流行の服を着せても、その人に合っていなければ、表情や振る舞いはぎこちなくなり、無理をさせてしまいます。そうすると、その人の「本当の魅力」は伝わらない…。その人が、これまでどうやって生きてきたのか、大切にしていることは何か。それらをヒアリングして理解することで、初めてその人の良さが引き立つ「服」や「髪型」が見えてくると思います。クライアントワークでも、それと同じことをやっている感じですね。

だから、クライアントワークにおいてアートディレクターとして関わらせていただく際は、その企業やサービスについて深く知るということを徹底しています。どういう経緯で誕生し、何を目指しているのか、人や社会にどのような影響を与えているのか…。担当者へのヒアリングを重ね、時には実際のユーザーの声も聞いて理解を深めています。

「人の感情が動く」ことを、大切に。

徹底して情報を集め理解した上で、デザインを作っていきます。ただ、最初のイメージが生まれるまでの時間は、結構孤独で長い戦いですね…。でも、その後に一筋の光が見えた時は、最高に嬉しいです。すべてが一本の糸でつながったような、「うん、これこれ!」と思える瞬間です。言葉にするのは難しいですが、ワクワクとか安心とか、色んなポジティブな感情が湧き上がります。

あと、自分の作ったものが「良いか悪いか」を直感的に判断する時間を設けています。余裕がある時は、一旦時間を置いてもう一度見ます。時間が無い時は、心のスイッチを切り替えて目線を変えます。頭の中の情報を一度空っぽにして、「あの人が見たらどう思うか」「朝起きた時にどう見えるか」「プライベートで見たら」など、色んなシチュエーションを想像して見え方を確認します。あとは、印刷してみたり、大きなディスプレイに投影してみたり…工夫してますね(笑)

デザインには多くの「作法」があり、それらが守られているか、そこから外れていたとしても意図的であるか、という点も確認するようにしています。その一方で、直感も大切にしています。直感的に見て、納得のいくものか判断できるようになるために、普段から「感動するもの」にたくさん触れるようにしています。号泣するほどのものでなくとも、気持ちが少し上を向くような、些細な感情の動きをなるべく脳に刻むようにしています。

というのも、私は自分の作ったものに対して「人の感情が動く」ことを、大切にしていて。それを見て、テンションが上がるとか、体温が0.01度でも上昇するとか…そういうところを意識して見るようにしています。

そのために、日常生活でも少し工夫しています。最近だと、画家のデイヴィッド・ホックニーさんや、写真家の上田義彦さんの展示会に行きました。展示や本でデザイン・アートに触れたり、映画を見たり、街中のチラシやポスターも集めたり撮影したりしています。そうやって日常的に、感動を「栄養」として取り入れるようにしていますね。それをもって、自分のデザインを見て「なぜ、魅力的に見えないのだろう?」と考え、それを言語化し、一つ一つ潰していくという作業を繰り返しています。

あと、「らしさ」を引き出すためには、当然「言葉」の力が重要です。例えば、ヒアリングした内容を言語化する時、コンセプトを決める時にも、言葉の精度を上げてしっかりと「強い」ものを作る必要があります。そこがブレていると、デザインもブレてしまいます。先日まで宣伝会議さんの講座でコピーライティングを学んでいました。そこで気づいたのは、良いコピーは、短い言葉の中にもワクワクや感動を与える何かが存在していて、触れた瞬間に最終的なビジュアルのアイデアがどんどん浮かんでくること。やっぱり言葉は人の心を動かすんだな、と再確認しましたね。

「らしさ」実現のため、もっと幅広いフェーズに関わりたい

2023年にA.C.O.とモンスターラボが一緒になったことで、以前より携わる範囲は広くなり、自分の視座が上がったと感じています。また、デザイン以外の専門性が求められた場合、これまでは外部の人をアサインする必要がありましたが、今は社内にさまざまなスキルや観点を持った人がいるので、より密に連携しながら仕事を進められています。それによって、私自身の知見も広がっていると感じます。

今後は、より広いフェーズで案件に関わりたいと思っています。

デジタル系のデザイナーとして、超職人的な技術を高めている人には本当に頭が下がります。しかし私は、紙や空間、サウンドも含めたユーザーとの全ての接点に横断的に関わりながら、企業やサービスの「らしさ」を追求していきたいです。

また、「デザインがビジネスに貢献する」という視点を忘れずに仕事を進めたいと思っています。デザインの良し悪しももちろん大切ですが、クライアントが目指すゴールは「ビジネスの成功」であり、デザイナーもそこを意識しなければなりません。最終的な目標にデザインが貢献するかどうか…自分自身がしっかりコンサルティングしてデザインに繋げていけるよう、日々研鑽しています。

プライベートで言うと、もう少し自然と触れ合う時間を増やしたいと思っています。というのも、休日でも仕事のことを結構考えてしまうタイプで…。強制的にオフすることで、頭の中のノイズが減り、情報が整理され、脳内のリソースが増えるような気がするんです。あと、仕事のことばかり考えていると、その延長線でしか思考が働かなくなるので、適度にオフの時間を取り、人と会ったり感動をインプットしたりして、さらに視野を広げていきたいと思っています。

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by Monstarlab Design Journal

Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。

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