- 2024.07.12
「Staff Stories」では、モンスターラボのスタッフを紹介しています。今回登場するのは、ビジネスデザイナーでデータストラテジストも兼任する髙橋政博。2023年の入社以来、データ×ビジネスの専門家として数々のプロジェクトで顕著な成果を上げています。そんな髙橋のキャリアパス、仕事の流儀、そして未来へのビジョンに迫ります。
Guest
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Masahiro Takahashi
ビジネスデザイナー/データストラテジスト。大学卒業後、独立系SIerのSEとして複数のシステム開発に従事。その後、AI・機械学習領域の専門性を高め、データサイエンティストとして活躍する。2023年からモンスターラボに入社。データ×ビジネスの専門家として、企業のデータドリブン経営や最新テクノロジーを活用した新規事業立案など、戦略フェーズからのDX支援を得意とする。
本や報道番組を通じて広がった幅広い興味関心
— まずは髙橋さんのこれまでについてお伺いします。学生時代はどのようなことに興味を持たれていたのでしょうか?
大学では経済、金融、統計などを学んでいました。それらに興味を持ったのは、中学生の頃まで遡ります。「今、世の中はどのように動いているのか。その中で自分はどのように考えるべきか」などと思いを巡らせることが多く、資本主義社会の中であらゆる物事の尺度となっているお金について学びたいと考えていました。
さらに遡ると、もともと子どもの頃から「幅広くいろいろなことを知りたい」という思いを持っており、本を読んだりニュースを見たりしていました。特に記憶に残っているのは『報道ステーション』などの報道番組です。テレビを見ながら、政治や経済などについて両親とディスカッションする場面も多かったと思います。将来その分野に携わりたいと考えていたわけではなかったものの、将来を見通す時には関わってくる分野として捉えていました。
— 学生時代のご自身の特徴は、現在にもつながっていますか?
興味関心の幅広さは、今でも変わらない僕の特徴です。各分野に専門家がいるので自分が深い知識を持っているとまでは思いませんが、表層だけ知って満足することもなく、理解できるまで一つひとつに集中して、きちんと調べるところは強みだと思っています。
反対に、苦手意識を持っていたのは「つくる」ことです。頭の中にはイメージが浮かんでいるのですが、それを自分の手で形にすることに難しさを感じていました。美術や図画工作などの授業では、知識のインプットは得意なためテストで高得点を取れるものの、実技が伴わずに5段階中2という成績をとることもありました。
現在でも実際に手を動かして表現することは苦手ですが、デジタル上で図や画像を作成できるので、以前ほど『うまく伝えられない』という感覚は減ったかと思います。また、幅広い知識と言語能力の高さは今でも重宝しています。
手に職をつけ、常に学び続けられる環境へ
— エンジニアとしてキャリアをスタートし、現在はデータやビジネスといった領域を主軸にされています。キャリアの変遷の背景について教えてください。
いくつかの会社やフリーランスを経て2023年にモンスターラボに入社したのですが、その変遷の背景には常に自分なりの課題感がありました。
新卒で入社したのは独立系SIerです。入社の条件として決めていたのは、「関西から関東に出る」「学び続けることができるIT業界」「オーダーメイドを提供できる独立系のSIer」の3点です。一生懸命つくっていましたし、お客さまには満足していただいていたものの、「もっと良いつくり方があるのではないか」と感じることが多く、エンジニアとして技術トレンドについていけていないことに課題を感じるようになりました。
そこで次のキャリアでは、さまざまな技術を試すことのできるフリーランスを選びました。エンジニアコミュニティに参加し、書籍や公式リファレンスから学ぶといった行動をとることで、これまでにない仕事を獲得することができました。その一方、やはりフリーランスでは案件獲得の最重要点として評価されるのは実績であり、新たに異なる領域にチャレンジするのが難しいという課題にも直面するようになりました。
— フリーランスのメリットとデメリットをどちらも経験されたのですね。次のキャリア選択では、どのような点を重視されたのでしょうか?
フリーランスとして1年半ほど働いた後、デジタルマーケティング支援会社にデータストラテジストとして入社し、システムやデータの領域へと軸足を移すことにしました。フリーランス時代まではWebアプリ開発がメインだったので、異なる領域に取り組めること、そして経済学部で学んだ統計の知識を活かせるのではないかということを踏まえて選択しました。
新しい領域のため思った通りとはいかなかったものの、仕事はとても楽しかったです。型にはまった働き方ではなく、より良くするためにできることを自らの裁量で実践し、さまざまなことに挑戦できたからです。
メインの業務としてはデータ基盤の構築を担当していたのですが、将来性を考えてクラウド環境の導入の提案をしたり、そのナレッジを蓄積して後進育成に活かしたり、さらには採用周りのプロセス管理やバックオフィスの見直しなど、他部署の領域にも携わらせていただきました。ある意味便利屋的な存在ですが、社内のあらゆる部署の方々の顔も見えますし、さまざまな知識を吸収して「全社的に見る」という視点や経験を得る良い機会となりました。
多様な経験を武器に、ビジネスデザインの領域へ
— では、モンスターラボに入社してからのことを聞かせてください。さまざまな経験を積んできた中で、モンスターラボのどのような点に惹かれたのでしょうか?
これまでに得たさまざまな知見をビジネスに活かしたいと考えたときに、裁量権が大きく、やりたいことができる環境だと感じられた点です。2023年の入社後はAIエンジニア、データストラテジスト、そして新たに新規事業創出や業務改善などを担当するビジネスデザイナーなど、案件によって役割を変えながらさまざまなプロジェクトに従事しています。
特に今おもしろみを感じているのが、ビジネスデザインです。最近関わった業務改善のプロジェクトでは、事業の収益構造を分析し、KPIツリーを整理した上で、アプリの改善により生じる効果の試算なども行いました。新規事業のプロジェクトでは、リサーチ会社がまとめたレポートを読み解きつつ中長期計画、IR情報などにも目を通し、リーンキャンバスで整理しながらビジネスチャンスを見定め、事業構想を立ててプロダクトへと落とし込んでいくといったことを行っています。
— 異なる領域への挑戦を重ねられていますが、これまでの経験はどのように活きていますか?
ビジネスデザインの業務でも、エンジニアとしての経験はとても役に立っています。「AIでこういうことをやってみたい」というお客さまの希望があったとしたら、どの技術を用いるかをコンサルティングし、プロトタイプをつくり、検証するところまで自ら手を動かして進めることができます。
また「このデータ資産で新規事業を考えてほしい」「データを経営の意思決定に活かしたいが、どうしたらいいか?」といった相談や依頼に対しても、データストラテジストとしての経験があるので、データを活用するための組織体制やインフラ基盤の構想をまとめることができます。簡易的な環境を構築して分析や検証まで行うなど、必要に応じて自ら手がけることもあり、経験を活かしながら新しい領域に挑戦できているなと感じています。
インプットは取捨選択し、相手に合わせてアウトプットする
— ジェネラリスト的なキャリアの中で、その都度新しい領域と向き合われてきたのではないかと思います。どのようなことを大切にしてきましたか?
領域が変わる度に新たに学び、知識をアップデートしてきました。その際に大切にしていたのは「それは事実か主観か。事実であれば、根拠はどのように判断しているのか」を考えることです。またそれ以外に「携わっている案件に関係するか」という点からも見て、インプットの時点で情報の取捨選択を行っています。こうした制限をかけることで「インプットすべき情報」を絞り込む速さは、僕の強みだと考えています。
— インプットしたものをアウトプットする場面でも、何か気をつけていることはありますか?
インプット量が多いからなのか、最近はお客さまと会話する際にもある程度自分の中で答えが見えていることが多く、悩みに対して「既にこう準備してありますよ」とお伝えさせていただくことも増えました。良いパフォーマンスを出せていると感じる瞬間でもある一方、お客さまに合わせた回答ができるように注意しています。
やはり人が物事を理解するには適切なステップが必要なので、答えだけでなく「なぜそうなるのか」を理解できるように示さなければ伝わりません。最終的なゴールが見えていたとしても、関わる方の理解のペースに合わせて説明することが大切だと考えています。
— さまざまな情報や知識をもとに判断を下していく中で、心がけていることはありますか?
「白黒はっきりさせないこと」でしょうか。複雑なものを複雑なまま受け入れ、可能性を摘むことなく余白を残しながら、行く末を見届けることが必要だと思っています。たとえばひとつの事柄に対してさまざまな意見がある場合、少数派の意見があることによって見えてくることもあります。それであれば、何かを完全に否定する必要はないと考えています。 エンジニアの仕事においては、要件定義などで責任範囲を明確化することは一定必要です。でもそれにより起きるのが責任の所在に関する衝突なら、僕はそこに労力をかけるのではなく、もっと先を見据えて良いものづくりをしていきたい。もちろんそうも言えないハードな局面もありますが、小さな範囲であればきっちりと決めなくていい部分もあるのではないかと思っています。
専門家であり素人-常に知識を吸収し、手放すことも恐れない
— 領域を横断したキャリアを通じてさまざま知識を身につけられてきましたが、今後はそれらとどのような向き合い方をされていくのでしょうか?
おそらく今後、これまで「10年ものの知識」と言われていたものが5年になり、1年になり……という局面がすぐに訪れると考えています。デジタルネイチャーの世界では、学んだ瞬間にその知識は急速な劣化を始めます。だからこそ、興味のあることには常に高くアンテナを張って学びながら、同時に過去の古くなってしまった知識を手放していかないといけません。専門家であり、素人でもあるような、アメーバのような働き方が理想です。
案件に入る時も常に初心を大切にして、得意先が必要としている知識は何かを俯瞰的に見て整理しながら、新しいインプットを増やして学び直していきたいです。自分自身がまだ答えを持っていない領域で、新しいことや知らないことを知ることはやはりとても楽しいです。もともと持っていた「生涯学び続けたい」という欲は、これからもずっと僕の根底にあり続けると思います。
— ありがとうございます。最後に、これからどのようなことに取り組んでいきたいか、教えてください。
今後はモンスターラボのDX支援の取り組みを加速させて、日本全国の様々な課題を解決していきたいと考えています。これまでに培ってきたデジタルとビジネスのスキルを活かして便利な社会をつくることで、例えば、日本の少子高齢化による衰退という前提を覆すこともできると考えています。どうしても悲観的に見ている方が大多数ですが、少ない人数でも成り立つ社会構造など、将来に希望が持てるような考え方を見い出し、社会に広めていけたらいいですね。日本をよくしていきたいという仲間とともに、ジェネラリストとして新しい技術を社会に実装していきたいと思います。
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by Monstarlab Design Journal
Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F