- 2025.11.07
「Staff Stories」では、モンスターラボで活躍するメンバーの声をお届けしています。今回登場するのは、UIデザイナーとして“伝わるデザイン”を日々追求し続ける齊藤由紗。大学時代には、プロダクト・福祉・建築といった多角的にデザインを学ぶことからスタートし、“当たり前”を問い直す姿勢を養いました。
現在は、テーマパークのアプリデザインなどを担当しながら、要件定義からイラスト制作まで幅広く手がける日々。UIデザイナーという職種の奥深さが詰まったインタビューをお届けします。
Guest
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Yusa Saito
大学ではプロダクト・建築・福祉など、異なる領域を横断しながら“人の課題解決ためのデザイン”を学ぶ。2017年モンスターラボに新卒入社。UIデザイナーとして、アプリやウェブサイトのUI設計・ビジュアルデザインを担当するほか、イラスト制作やユーザーインタビューなど、幅広く手がける。機能的であることはもちろん、“情緒的な価値”にも注目し、ユーザーの心に届くデザインを日々探究している。
アートではなく課題を解決するためのデザインを
── 大学生の頃からユーザーの課題を解決する視点でデザインをされていたとお聞きしました。その考え方に至った経緯を教えてください。
小さい頃からイラストを描くことが好きで、漠然とそれを活かす仕事に就きたいなと思っていました。そんな中、進路を考えるタイミングで参加したオープンキャンパスで、現役のプロダクトデザイナーでもある教授が「すべてのモノは、誰かのためにつくられている」と話していました。
その言葉に触れて、“誰かのために何かをつくる”って、純粋にいいことだな、と心が動いたのを覚えています。そこから、 「自分が表現したいモノをつくるアート」ではなく、「ユーザーの課題を解決するデザイン」の道に進みたいと思うようになりました。
── 大学ではどのようなことを学びましたか?
大学では、初めの2年間だけプロダクト・福祉(ユニバーサルデザイン)・建築という3つの分野を横断して学べる環境で、最初から専攻が分かれていないことが特徴的でした。 その後、工業製品やグラフィックのデザインをさらに学びたくなり、プロダクトデザインを専攻しました。
どの分野にも共通していたのは、「誰が」「どんなことで困っているのか」を明らかにしてデザインするという「ユーザーの課題を解決する姿勢」です。使う人のことをきちんと想像し、それに合った形や表現を模索していったことが、自分にとってのデザインの原点になっています。
声をあげると、チャンスがめぐってくる環境
── 就職活動はいかがでしたか?
正直、かなり苦戦しました。というのも、「絶対にデザイナーになりたい」という気持ちは強かったものの、当時、新卒でデザイナー職を募集している企業がすごく少なくて…。とにかく手当たり次第、興味のある会社にはどんどんエントリーしていました。
そんな中で出会ったのがモンスターラボでした。最初は「UIデザイナー」という職種さえ知らなかったのですが、アプリやウェブサイトを作っているというのを知って、そういう仕事も面白いかもしれない、自分の得意分野を活かせるかもしれないと思い飛び込みました。
── 入社後はどんな環境で成長してこられましたか?
実際にプロジェクトに入って実践を積み重ねながら、少しずつ成長してきた感覚があります。もちろん、最初はうまくいかないこともたくさんあったので、当たって砕けながらですね(笑)。モンスターラボは受託開発の会社なので、toC向け・toB向けどちらのサービスにも携わる機会があり、幅広い経験が積めました。
また、モンスターラボには「やってみたい」と声を挙げると、チャンスが巡ってくる文化があります。年次に関係なく、積極的に動く人に機会が与えられる環境で、それが私にとってはとてもありがたかったです。
例えば、私はイラストを描くことが好きなのですが、そのことを社内で発信していたら、実際にイラスト制作を担当できる案件にアサインされたり、他の社員からも「イラストのことなら齊藤さんに聞いてみよう」と頼ってもらえるようになったりと。そうした得意分野を自然と活かせる空気感が、とても心地よく感じています。
── モンスターラボならではの魅力を感じる点があれば教えてください。
先述した、「声をあげると反応がある環境」というところもそうですが、他には、いろんなバックグラウンドを持ったメンバーに出会えることです。働き方も考え方も本当に多様で、そうした環境の中で仕事ができるのはすごく刺激的です。
それから、デザイナー同士の距離が近くて、ちょっとした相談や雑談が気軽にできる雰囲気があるのも大きな魅力です。月に1回、デザイナーが開催するイベントがあります。このイベントではどんなテーマでもOKで、メインのデザイナーの独断でテーマが決まります(笑)。
さらに、以前、UIだけでなくUXにも興味が出てきた時期があり、「勉強したい」と上司に相談したところ、会社が費用をサポートしてくれて、半年間スクールに通うことができました。その後も、学んだことを活かせる案件に参加させてもらえたりと、社員の学びを応援してくれる会社だと強く実感しています。
「誰かのために整える」UIデザイナーという仕事の魅力
── 改めて、UIデザイナーという仕事にはどんな魅力がありますか?
一言でいうと、ユーザーとすごく近い場所でデザインができることだと思います。自分のデザインがどう伝わるか、どう受け取られるかを常に意識します。UIは「情報を分かりやすく伝える」ことが目的のデザインなので、言葉も、ビジュアルも、構成も、すべて“伝わる”ための工夫が必要です。それが大変でもあり、楽しいところです。
── UIデザイナーに向いている人って、どんな人だと思いますか?
整理整頓が好きな人や、気配りができる人は向いていると思います。 UIデザインって、「ここにこの情報があると親切だな」とか、「ユーザーはきっとここで迷うかもしれないな」とか、常に相手の目線で考える仕事だと思っています。なので、ちょっとした違和感に気づけたり、他人の行動や感情に敏感な人は、自然と良いUIをつくれる気がします。
── 齊藤さん自身が感じる仕事のやりがいは、どんなところにありますか?
ユーザーやクライアント、チームのみんなと一緒に「納得のいくデザイン」にたどり着けたときですね。
特に、ユーザーインタビューを通じて「こういう考え方があるんだ」とか、「ここが使いづらいんだ」と気づけた瞬間は、すごくワクワクします。ぼやけていたモノの解像度が上がった感覚があって。その発見をもとにデザインを修正していくと、最終的にチーム全員が「これだね」と納得できるアウトプットに仕上がります。
自分の“作品”ではなくて、みんなでいいものをつくっていくという感覚が強いので、そこにチームワークの面白さもあると思います。入社前に想像していた以上にやりがいを感じています。
“雑談ができるチーム”では、きっといい仕事ができる
── 普段の仕事で、大切にされていることはありますか?
やはり、コミュニケーションです。一人で完結する仕事ではないので、チームやクライアントとのやりとりがすごく重要になります。だからこそ、伝え方には常に気をつけていて。たとえば、細かいニュアンスが伝わりにくいテキストコミュニケーションが中心のプロジェクトでは、相手の受け取り方を想像しながら書くなど工夫するようにしています。
あとは、チーム内で「この人、今ちょっと大変かも」とか「重いタスクが続いていそうだな」と感じたときには、個別でDMを送ったり、少しでも負担を軽くできるように動くことも意識しています。実際に私も自分の仕事が大変な時にプロジェクトマネージャーから「今、大変だよね」ってDMをもらったことがあって、誰かが見てくれているという気持ちに救われた経験があります。特別なことじゃなくて、ちょっとした気配りなんですけど、チームの空気ってそういう積み重ねでできていくと思っています。
── 齊藤さんにとって、良いチームってどんな状態ですか?
“雑談ができる関係性”って、すごく大事だなと思います。ちょっとした相談やくだらない話ができる空気があると、小さなミスがあっても言い出しやすかったり、間違いを見つけた時に報告しやすかったりする。そういうチームって、最終的にいいプロダクトが生まれる気がします。
デザインは、つくるチームによっても変わってくるため、だからこそ関わる人との関係性はすごく大切にしたいなと思っています。
“情緒的な価値”も届けられるデザイナーへ
── 今後、どんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?
最近は、出社の頻度を少しずつ増やしています。モンスターラボは、リモート勤務も柔軟にできる環境なので、無理せず働けるのがありがたいのですが、オフィスに来ると、やはりちょっとした雑談ができるんですよね。 それに、今はS&D(Strategy&Design)グループの変革期だと感じています。メンバーとのコミュニケーションをしっかりとって、チームとしての結束力を高めていきたいという思いもあって、最近では意識的に出社するようにしています。
あとは、UIデザインにおける“情緒的な価値”にももっと向き合っていきたいと思っています。ユーザーの行動やニーズに沿った構成や情報設計だけではなく、最近は“直感的にかっこいい”とか、“なんとなく心地いい”といった感覚的に良いと思えるデザイン の大切さを改めて感じています。機能性だけでなく、こういったところにも力を入れていきたいです。
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by Monstarlab Design Journal
Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F

