- 2020.02.17
「Staff Stories」では、A.C.O.のスタッフを紹介しています。今回登場するのはデザイナーの藤川祐介。藤川は大学で建築を学んだのち、専門学校でデザインを学び、フリーランスのデザイナーを経て2019年2月、A.C.O.に入社。いつもストイックにデザインを追求しています。
Guest
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Yusuke Fujikawa
藤川 裕介・Designer。日本大学理工学部建築学科卒業。東京デザインプレックス研究所卒業。フリーランスを経て、現在に至る。
アンビルド建築とタイポグラフィに魅了された学生時代
─ 藤川さんはどんな学生でしたか?
大学は日本大学理工学部の建築学科で、意匠設計を専攻していました。そこでアンビルド建築、つまり実際には建てられない建築や、完成に至らない作品を発表している建築家がいることを知りました。有名なところだと、ザハ・ハディドや、ダニエル・リベスキンド、アーキグラムなどでしょうか。
僕は彼らの描くドローイングが好きでした。手書きの、現実にはありえない建築たち。これが建築? と思うようなものを描いているのに、彼らは自らを建築家と自称しています。その理由を知りたいと思ったんです。自分の課題や、研究よりも、彼らの本や雑誌の特集を読んだり、ドローイング集や作品集を眺めて、勝手に考察する方が楽しかった覚えがあります。
建築学科で学んだ考える力、考えたものをどうアウトプットにしていくか?というマインドはデザイナーの仕事でもいきています。ロジカルに、組み立てていったものをどうやって相手に伝わるものにしていくかを考える癖や、誰かの作品にどういった考えやロジックがあるのか考察する癖は、建築を学んだことで身についたと思います。
─大学卒業後は、デザインの専門学校である東京デザインプレックス研究所に進学していますね。建築設計の道に進まなかったのはどうしてですか?
建築の設計より、それをどう表現するかが好きだったんです。デザインの現場では、ロジックとかコンテクストを読み取って前段の話を作りますよね。建築設計の課題だと、そこから図面に起こしてパースや模型表現をした上で、それをプレゼンします。その表現の方にどんどん興味がいったんです。
一方で図面を書くという、設計する上で肝になってくる部分にあまり興味が持てなくて、自分に建築は向いてないかもしれない。そう考えたときに、自分はグラフィックの方が向いてると思ったんです。今思うと、安直な発想だなと思うんですけどね。
専門学校では、タイポグラフィとの出会いがありました。すごく詳しい先生がいて、その世界に興味を持ったんです。タイポグラフィには、デザイナー自身の考え方だけでなく、哲学、宗教などの歴史的な背景があることを知り、どんどんのめり込んでいきました。
─そして専門学校の卒業後はフリーランスでしたね。
そうですね。卒業後、A.C.O.に入るまでの約1年間はフリーランスとして仕事をしていました。専門学校の卒業後にそのままTA(授業のアシスタント)をやることになったのですが、そのときに建築学科時代のツテでサイト制作の仕事が来ました。さらに友達の経営してる会社で業務委託もお願いされたので、自然な流れでフリーランスをやってみることにしました。
─順調なキャリアステップのようですが、フリーランスから会社員に転向したのはどうしてですか?
チームに所属して、自分ができることを増やしたいと強く思ったんです。当時はデザインからコーディングまで全部自分でやっていましたが、そうすると自分一人でできる範囲の仕事に収まりがちです。案件の価格や時間の問題、自分自身はフロントエンド専門ではなく、あくまでデザイナーなので実装上、実現できないデザインがあったり。また確定申告や見積もりの作成など、デザイン業務以外でとられる時間も多く、経験が浅いままフリーランスを続けることにも限界を感じたんです。
─就職先としてA.C.O.を選んだ経緯を教えてください。
デザイナーとして就職できる企業を探しているときに、たまたまA.C.O. Journalを見つけて、読んだ記事の内容が面白いと思ったんです。Journalは会社の実績や作品よりも、社内カルチャーの紹介に重点を置いていますよね。そこから会社の考え方にも興味を持ちました。自分とはバックボーンや考え方が違う人、自分にはないスキルを持った人が集まる会社に入りたかったんです。そんなときに、専門学校の同期の小林が偶然A.C.O.に入社しており、僕に連絡をくれました。それで実際に面接に行ってみたら、すごく自分に合いそうだと思い、入社しました。
ロジックに頼らず、自分が本気でかっこいいと思うデザインを追求する
─ A.C.O.ではどんな業務を担当していますか?
スタートアップの新規サービスの立ち上げから、BtoBの大企業のコーポレートサイトのリニューアルまで、なんでもやっています。ロゴの制作、ポスターや雑誌といった紙媒体の広告デザインも担当したことがあります。また社内業務としてDesignshipなどのイベントに向けたグッズデザインの制作や、A.C.O.自社のロゴのマイナーアップデートなどもしました。
─本当になんでもやっていますよね。デザインをするうえではどんなことをこころがけていますか?
ロジックに頼り切らない、言い訳にしないようにしています。デザインをロジカルに説明できることはもちろん重要ですが、説明できるからいいデザインだと安心するのは違うと思っています。最終的には自分自身が本心から良い、かっこよさや気持ちよさを感じるかどうかを大切にしています。
自分の強みは、案件によってポジションを変えられる柔軟さだと思います。僕はさまざまなデザイン業務を担当していますが、世界観づくり、ビジュアルづくりには特に自信があります。一方でロジカルに考える部分も好きです。建築設計をやっている時は、コンテクストやロジックから導き出されるあるべきものと、でもこのまま進めるとダサいんだよ、みたいなやりたい表現の乖離に悩むことが多くありました。今はそのバランスが取れるようになってきたと感じています。
─ 仕事をしていて楽しいと思うのはどんなときですか?
基本的になんでも楽しいです。受託制作会社のいいところは、今まで全く触れてこなかったジャンルの人、世の中のことがわかるようになるところです。今の時代、ビジュアルデザインだけで言えば、全く新しい表現が出てくることはそうそうないと思っています。ですがクライアントの思い、目指す社会とデザインを組み合わせれば、新しい世界観ができるはずです。思いもしないものがつくれる瞬間はとても楽しいですね。
また、A.C.O.のクライアントは自分が思っている以上に規模が大きい会社が多いです。BtoBだと一般的な知名度は低くても、スケールが大きい会社がたくさんあります。そういったクライアントと直接コミュニケーションが取れる立場で、責任をもって自由にやらせてくれるのがA.C.O.のいいところだと思います。
─ A.C.O.に向いているのはどんな人でしょうか?
圧倒的に、自分で考えて動ける人ですね。自分なりのこだわり、譲れないものがある人が向いていると思います。こだわりと言うと融通がきかないイメージがありますが、世の中をきちんと見れている人はそうはならないはずです。SNSやWebメディアで色々な情報に触れても、すぐに自分で鵜呑みにするのではなく、そういうこともあるけど、自分は違うと思うよと考えられる人は向いていると思います。
─ それでも、思い通りにいかないことはありませんか? そんなときはどうしていますか?
仕事である以上、仕方ないと思うこともあります。ですが、それでも理想はこうあるべきだと思い続ける姿勢は持ち続けたいと思っています。避けられない事情もあるけど、そうじゃないときもあるはず。そういうときのために、「自分はこうだと思う」という意志を捨てなければ、いつか実現できるときが来るはずです。
夜はタイポグラフィの本を読んでリラックスしてます
─ では、次は趣味のことを聞かせてください。さっきも話が出ましたが、タイポグラフィの本をたくさん持ってますよね。
僕にとってタイポグラフィの本を読んでいるときが一番リラックスできる時間です。たぶんみなさんがコーヒー淹れて飲むのと同じようなことで。タイポグラファーと呼ばれる人たちは、作品のみならず、デザインに対する姿勢や生き様も含めてやっぱりかっこよくて。仕事がうまくいかないときも、彼らの作品を眺めたりなんとなく分析したりしていると、自分は大丈夫だと思える、戻ってこれる時間ですね。
また文章も勉強してます。アウトプットをしていく上で、これからはもっとデザインや世界観を語れるようになりたいと思っています。クライアントやユーザーに伝えるのはやっぱり文章、言葉です。ビジュアルで全てが伝えられれば理想ですが、文章も同じくらいできるようになりたいです。
─ 最後に、今後の夢や目標を教えて下さい。
僕の今のメイン業務では0→1ではなく、すでにあるものをいかにして伝えるか、というものが多いです。リブランディングなどもそうですね。そういったプロジェクトも楽しいですし勉強になりますが、最初からクライアントと一緒に0→1を作る仕事も増やしていきたいです。クライアントと一緒にブランドの世界観をゼロから作っていけるように、そしてそれを僕にやってほしいと思われるように、今後もスキルを磨いていきたいですね。
─ ありがとうございました!
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F