- 2025.04.07
「Staff Stories」では、モンスターラボのスタッフを紹介しています。今回登場するのは、UI/UXデザイナーであり、プロダクトストラテジーチームのリーダーを務める原脩造。広告代理店でアートディレクターを経験したのち、UIデザイナーに転身。現在はモンスターラボで、大規模プロジェクトのUXデザインの他、UIデザイナーとしてベトナムのオフショア拠点との開発連携まで、幅広い業務を推進しています。さらに今期からは新チームのリーダーとして、組織づくりにも精力的に取り組んでいます。そんな原に、デザイナーを目指したきっかけから、現在の活躍、そして次なる挑戦について話を聞きました。
Guest
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Shuzo Hara
UI/UXデザイナー、プロダクトストラテジーチーム チームリーダー。京都芸術大学プロダクトデザイン学科でインダストリアルデザインを学んだ後、広告代理店に就職しアートディレクターとして勤務。2022年4月、UI/UXデザイナーとしてA.C.O.(現モンスターラボ)に入社。2025年1月より、新設されたプロダクトストラテジーチームのリーダーを務める。
モノづくりは、自分を幸せにしてくれる存在
— まず、原さんがなぜデザイナーを目指されたのか教えてください。
私は、もともと工業高校に通っていました。卒業後に就職を選ぶ同級生が多いなか、私も将来についてぼんやりと考えていたとき「モノづくり」に興味が湧いてきました。祖父がダムや汽車の設計士で、母親がファッション系のデザイナーだったことも影響しているかもしれません。
そのとき「アーティストが歌で生計を立てるように、好きなものを作ることが仕事になれば、幸せで居続けられる」と、高校生ながら当時衝撃的な気づきだった記憶があります。モノづくり関連の仕事を知るために、まずは企業の求人を調べました。そこで「プロダクトデザイン」というキーワードと出会い、すぐに京都芸術大学のプロダクトデザイン学科への進学を決め、デザインの世界にのめり込んでいきました。

— 卒業後は広告代理店に就職されていますが、どのような仕事をされていたのでしょう?
広告代理店時代は、さまざまな業界のテレビCM、新聞広告、WebCM、交通広告などのデザインを担当していました。中でも印象に残っているのは、テレビCMです。リサーチ会社と連携し、マーケティングの視点から1カットごとの印象や絵の強度を検証するなど、クリエイティブとロジックを行き来する珍しい方法で制作していました。現在のクリエイティブとロジックのバランス感覚は、このあたりで鍛えられたと思っています。
ただ、広告の多くは数ヶ月で世の中から消えてしまいます。大学時代に学んでいたインダストリアルデザインの思想も相まって「暮らしを直接的に豊かにするモノ」に惹かれるようになり、広告の世界を離れる決断をしました。
活発な社内活動、海外連携、キャリアアップ。モンスターラボの「強み」を使い倒す。
— その後、A.C.O.(現モンスターラボ)でUIデザイナーに転身されていますが、この選択の背景を教えてください。
僕が考えるモンスターラボ最大の魅力は、開発とデザインの両方が実現できる環境にあります。モンスターラボは多くのプロダクト開発実績があります。また、2023年にはデザイン会社A.C.O.を統合し、その文化や品質が受け継がれています。僕は元々エンジニアだったので、UXデザインだけでなく、「開発」という技術的なスキルも活かせる環境を探していました。それで、モンスターラボへの入社を決めました。それが、2023年6月のことです。
自由度の高い案件で「ゼロイチ」の喜びと苦悩を実感
— 現在のお仕事内容について教えてください。
「暮らしを直接的に豊かにするモノ」のなかでも、ビジネスの発展と共に進化し続けるデジタルプロダクト領域に可能性を感じました。そこで、まずはインタフェースの理解を深めようと、UIデザイナーのキャリアに進むことにしました。
A.C.O.を選んだ理由の一つは、クライアントワークでさまざまな業種に携わることができるというスキルアップの観点です。また、デザインのアカデミックな部分にも積極的に取り組んでいるカルチャーが、当時の自分と合っていると感じたからです。

— 入社されてみて、いかがでしたか?
かなり「正解」だったと思いますし、社内で自分が一番モンスターラボを楽しめているなと感じます(笑)
入社して良かったことが、大きく3つあります。その一つは、ボードメンバーやマネージャーであっても、現場からの提案を真摯に聞いてくれるフラットな文化です。私自身も新チームの発足、社内カルチャー醸成を目的とした社内イベント、所属部のValuesの策定、ブロックチェーン領域のパートナーシップなどなど…会社に対して数多くの提案をし、それを実行させてもらいました。
これまでには、「Vs(バーサス)」という社内イベントを数回、企画・運営しました。デザインチームが中心となって、さまざまな立場や役割を持つ社員が本音で語り合える場づくりを目指した取り組みです。
初回は、デザイン部のリーダー陣と他部署の執行役員に登壇いただきました。登壇者同士のテーマディスカッションに加え、参加者から質問や意見を投げかける形式で行い、経営目線とデザイナーならではの価値観をすり合わせ、相互理解を深めました。また別の会では、全社に発表されたその期のテーマ「Cross Functional」に対し、デザイン部マネージャーと現場デザイナーで、部としての解釈についてさまざまな切り口でディスカッションしました。
どの会も、それぞれの立場から率直に意見を交わすため、時に熱のこもった議論になる瞬間もありました。ただ、イベントの場においては、普段は気を遣ったり組織的な力学で聞きづらいことにも踏み込んでいけるようにしたいと考えています。ファシリテーターとして、その場だけは「双方にとって有益な対話である」という雰囲気を醸成できるよう、ディレクションを心がけました。
【原が携わった社内プロジェクト(一例)】

【写真:社内イベントで楽しむ原】
二つ目は、グローバルな点です。UIデザインリードとして推進している案件では、ベトナム・ダナンに3度出張し、最大2ヶ月滞在して開発者たちとオフラインで連携しています。グローバルなメンバーと一つのモノを作る経験は、キャリア以前に人生経験として貴重だと感じます。また、当社のシンガポール拠点へ出張した際には、CX等の先進事例を相互に共有しました。世界の知見を活かして仕事ができることが、モンスターラボの大きな強みだと思います。
最後は、プロジェクトの多様さです。私はUIやUXという領域の区分けにとらわれず、純粋に『良いプロダクトを作りたい』という想いでデジタルプロダクトの世界に入りました。入社当初は、まずUIデザイナーとして「人間とシステム」の関係性を理解し、リードデザイナーになったタイミングで、徐々に上流の体験設計や要件定義、戦略策定へと踏み出していきました。このようなキャリアステップが実現できるのは、特定の領域に特化せず、また、社員が自分の「Will」を元に案件への関わり方を提案できるモンスターラボだからこそです。
現在携わっているプロジェクトでは要件定義フェーズから入る案件が多く、お客さまのやりたいことの明確化に加え、「やるべきこと」を提案し、その優先度をつけてプロダクトに落とし込んでいます。中には難易度が高く、お客さまと一緒に頭を悩ませることもあります。しかし、知恵を絞って導き出した判断が、後に成果やユーザーの声として返ってきた時には、とてもやりがいを感じます。
【原が担当するプロダクト・研修(一例)】
— 原さんが、仕事をする上で心がけていることはありますか?
デザイン業務だけでなく社内の取り組みも総じて、課題に対しては『負荷』を『機会』へ変える解決法を意識しています。世の中のほとんどの課題は、身体的、精神的、社会的な負荷からくるものだと考えます。そのためインターフェースデザインも、プロダクトを扱う負荷をどれだけ減らすか。広告もまた、情報を理解する負荷をどれだけ減らすかという仕事だと思っています。
私はいちデザイナーとして、その負荷を「0」に近づけるだけでなく、新しい気づきや可能性を見出せる「機会」へ転じていきたいと考えています。人間中心設計、体験設計、コピーライティング、企画、ビジュアライズなど、状況に応じてさまざまなアプローチを使い分け、より良い未来を作っていきたいですね。
自らチームを組成し率いる、新たな挑戦へ。
昨年、次期組織戦略を考えるうえで『プロダクトストラテジーチーム』を自ら起案し、今期からそのチームが発足し、私はリーダーを任されることになりました。私たちのチームは、プロダクトを成功に導くため、ビジネス、デザイン、開発という3つの視点を持ち、戦略を立てる段階から体験設計、要件定義まで一貫したサポートを提供します。デザインと開発が強みであるモンスターラボだからこそ、机上の空論で終わらない、地に足のついた戦略が描けると考えています。
正直なところ、チームリーダーとしてオファリングの設計やメンバーの育成制度づくり、採用活動などなど…初めての挑戦ばかりで、大変です(笑)一方で、昨年よりもぐっと視座が上がったことや、これまで培ってきた構造化やクリエイティブジャンプの力もチームマネジメントに活かせています。現在は、とてもやりがいを感じながら取り組めています。
これからはプレイヤーとしてだけでなく、組織全体でのインパクトを最大化し、これまで以上にお客さまへの価値提供を追求していくとともに、プロダクトを通した価値の社会実装を推進していきます。
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by Monstarlab Design Journal
Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F