- 2025.06.05
「Staff Stories」では、モンスターラボのスタッフを紹介しています。今回登場するのは、UIデザイナーの村田知亮。もともとはデザインに興味がなかったという村田ですが、大学生の時にアルバイト先で作成した資料を褒めてもらえたことをきっかけにデザインに興味をもち、現在はUIデザイナーとしてさまざまなプロジェクトで活躍しています。そんな村田が辿ってきた道のりと、仕事への思いについてうかがいました。
Guest
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Tomoyoshi Murata
大学在学時にUIデザインに興味を持ち、デジタルハリウッドでデザインを勉強した後、2021年10月にUIデザイナーとしてA.C.O.(現モンスターラボ)に新卒で入社する。Webサービスや業務システムの要件定義から情報設計・UIデザインまで一貫して携わる。
資料づくりの先にあったUIデザイナーへの道のり
── まずは村田さんのこれまでについてお伺いします。デザインに興味を持ったのはいつ頃でしょうか?
実は、もともとデザインにはまったく興味がなかったんです。絵やアートと同じようなものだと思っていたし、自分とは無縁の世界だと思っていました。大学進学で選んだのも文学部です。大好きな『ドラえもん』に関わる仕事に就きたいと思っていたのですが、それ以外に小説などはほとんど読んでこなかったため、授業になかなかついていけなくて。周囲のモチベーションの高さにも、圧倒されるばかりでした。
そんななかで、当時アルバイトをしていたWebサービスを運営する会社で、機能の追加や改善のための資料をつくる機会がありました。ベンチマークしているアプリのスクリーンショットを並べ、情報を見やすく整理してまとめたところ、「シンプルでわかりやすいね」と褒めてもらえたんです。そのことがとにかく嬉しくて、デザイナーを志すきっかけになりました。
当時は「デザイン4原則」も知りませんでしたが、見出しサイズの統一や文字の左寄せ、画像の配置位置など、自分なりに工夫していました。今振り返ると、それが自然と4原則を押さえることになっていたようです。
── デザインに興味を持った後は、どのようなアクションを取られたのでしょうか?
アルバイト先の社員の方に「シンプルなデザインに興味があるなら、UIデザインがいいんじゃない?」とおすすめされて、デザインスクールに通いはじめました。半年ほどオンラインメインで学んだのち、卒業制作では通学での指導も受けながら、合わせて1年ほど学びました。FigmaやAdobeなどのソフト操作について学び、ポートフォリオを作成する実践的な内容が中心だったのですが、当時の自分の「早くツールを使えるようになってポートフォリオをつくり、就職に繋げたい」という気持ちに合った学習ができたと思います。
また実際に学んでみて、改めて「デザインって楽しいな」と実感しました。ツールを触っていると夢中になれて、「今の自分、デザイナーっぽい!」とわくわくしたことを鮮明に覚えています。

「良かったよ」の声を自信に変え、経験を広げていく
── スクールでの学びを経て、2021年10月に当時のA.C.O.(現モンスターラボ)に入社しましたね。これまでにどのようなプロジェクトを担当されてきたのでしょうか?
入社してすぐの頃は、既存プロジェクトの運用改善を主に担当していました。既にリリースされているものを対象に、ユーザーからあがった声を受けてクライアントが検討した改善案を踏まえ、ユーザビリティの観点を考慮したより良い改善案の提案を行うことなどが主な業務となります。
ただし最近は、要件定義や情報設計といったプロジェクトの上流工程にも関わらせていただく機会が増えてきました。
── 初期に携わったプロジェクトで、印象に残っているものは何ですか?
初めて担当した「ANA Cargo」のプロジェクトが印象深いです。ミーティングでのクライアントへの説明の仕方や、デザインレビューの仕方など、いろいろなことを先輩から教えていただきました。
実ははじめの頃は、ミーティングでも自分の説明が伝わっているか、社内メンバーと認識に齟齬がないかなど不安ばかりで、デザインレビューの時はいつも憂鬱な気持ちだったんです。でも、レビューの後に「良かったよ」と声をかけてもらったり、デザインを褒めてもらったりすることの積み重ねの中で、「間違っていなかったんだ」と思える瞬間が少しずつ増えていきました。気づけば提案にも手応えを感じられるようになり、それが自信につながっています。
── 最近は上流工程から関わっているとのことですが、具体的にどのようなプロジェクトに参加しているのでしょうか?
特に大きなプロジェクトとしては、産経新聞社とのプロジェクトでしょうか。産経ニュースのサイト改善やLP制作など、さまざまな施策に携わっています。
このプロジェクトでは、要件定義や情報設計についても任されており、自分自身にとっても新たな領域に踏み出すことができるチャレンジングな取り組みとなっています。「わからないことがあれば、率直に聞く」というスタンスを大事にして、先輩を大いに頼りながら貪欲に挑戦を重ねているところです。
手を動かし、チームと共につくり、自信をもって提案する。現場で見つけたデザイナーのやりがい
── 4年ほどデザインに取り組んでみて、スクールでの学習との違いなどをどのように受け止めていますか?
仕事としてデザインに取り組むなかで、大きな気づきがありました。 それは、クライアントと丁寧に会話を重ねながら進めていくことがとても重要だということです。スクールで学んでいた頃は「手を動かして形にするのがデザイナー」だと思っていましたが、クライアントと向きあい、しっかり要件をヒアリングし、提案していくのがデザイナーなんだなと。
その部分を任されることに、はじめのうちは不安やプレッシャーもありました。でも事前にしっかり準備をしたり、先輩にもらったフィードバックやアドバイスに忠実に取り組んでみることで、少しずつ上手く立ち回れるようになってきたのではないかと思います。
── 村田さん自身が、デザインするうえで大切にしていることは何ですか?
デザインに興味を持った頃は、シンプルにつくることにおもしろみを感じていましたが、仕事として取り組むなかで、最終的にサービスを使うユーザーにとっての使いやすさを考えてつくることの大切さを学びました。ただし同時に、クライアントの意向を汲み取る必要もあります。デザインをするうえでは、自分の意見は伝えつつも、さまざまな意見をミックスした良い折衷案を探るバランス感覚を持つことを意識しています。
またユーザーに向けてだけではなく、開発者や他のデザイナーがスムーズに作業できるように、ガイドラインやドキュメントを整備することにも力を入れています。最近社内のイベントで自身の取り組みを紹介する機会があり、ガイドラインについて紹介したところ、エンジニアの方から「すごくわかりやすい」と言っていただけたのが嬉しかったです。ガイドラインづくり、大好きなんですよね。
── 「ガイドラインづくりが楽しい」というのはユニークで素敵ですね。
僕ひとりではプロダクトはユーザーに届けられないので、他のメンバーがデザインや開発をしやすくするためには、ガイドラインの整備が重要です。明確なルールがあることで判断のスピードが上がり、作業効率も上がることで、結果的に全体的なクオリティアップにもつながるもの。だからこそ、ガイドラインづくりはやっていて楽しいんですよね。以前、先輩がつくったガイドラインに感動し、「自分も真似しよう」と思ったのがはじまりですが、今ではとてもやりがいを感じています。
ただ、それでもやっぱりFigmaなどのツールをカチカチと触っている時間が、何よりも楽しいです。AIで何でもできる時代に移り変わって行くなかでも、憧れるのは「ずっとツールをカチカチ触りながらデザインしている人」。技術職っぽくて格好いいし、つくることに没頭している感じが好きなのかもしれません。

デザインがあるから、ポジティブな自分になれる
── 今後はどのような部分を伸ばし、経験を積んでいきたいですか?
まずは、今関わっている要件定義や情報設計フェーズの経験を重ね、自分に向いているかどうかや得手不得手について見極めたいと思っています。
加えて、プログラミングや実装に関する理解も深めていきたいです。デザインは、開発の方がいるからこそ、動くものになります。「なぜこのボタンを押したらページが遷移するのか」「エラーはどんな仕組みで実装されているのか」など、仕組みを理解することで、結果的にデザインにも良い形で反映できるのではないかと考えています。
── そうした仕組みや技術的な側面に関心を広げながらも、変わらずデザインという領域に重きを置き、楽しんでいるのはなぜだと思いますか?
自分自身はどちらかというとネガティブな面も多い性格で、いまだに自信を持てずにいるのですが、つくったものやアウトプットに対しては、なぜだか自信を持てるからかもしれません。面接などで自分の強みを説明するのは苦手でしたが、ポートフォリオを見せて作品について説明する時は、自信を持って伝えることができるんです。つくった過程があるし、愛着もあるし、これまでに褒めていただいた積み重ねがあるからこそ、自信が生まれているのかも。それこそが、自分にとってデザイナーという仕事のやりがいとも言えるかもしれません。
── そういった学びや気づきを経て、将来的にはどんなデザイナーになりたいと考えていますか?
UIデザインのスキルをさらに高めていって、「この分野なら村田に聞けば間違いない」と言ってもらえるような、突出した強みや得意分野を持つデザイナーになりたいです。まだその分野が何なのかは模索中ですが、UIデザインのスキルを軸にしつつ、プログラミングや別領域のスキルと掛け合わせて、自分ならではのデザイナー像を築いていくのが目標です。

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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F