- 2015.12.03
試されるけれど魅力的。そんなフリーランスの本音を語っていただきました。
好きな場所で、好きな時間に、自由に働けるという、一見魅力的なフリーランス。しかし、その裏では自分「ひとり」という難しさや、自分が働かないとお金が入らないといった厳しさも…。
一見、身軽で自由にみえるフリーランスだけど、実は「ツラい!」ことも盛りだくさん。この対談企画ではA.C.O.編集部がホストとなり、自分の足で立っていながらも、その大変さを身にしみて理解する人々を招き入れ、酒を飲みながらその魅力と過酷さについて語り合う。
今回のゲストは、エディター/ライター・モリジュンヤさん、PR/Web編集者・塩谷舞さん(しおたん)、WEBデザイナー・ムラマツヒデキさん。業務内容やフリーランス歴の異なる3者が、それぞれの視点でそのホンネを語り尽くす。
フリーランスは意外と寂しくない?
– フリーランスって基本「ひとり」なので孤独との戦いでもあるかと思うんですが、そこに悩みとかはありますか?
モリジュンヤ(以下・モリ)-
僕はそんなに悩みはないですね。取材して人と会うことが多いので。むしろ人に会いすぎて、しゃべり疲れることもあるくらいです。
塩谷舞(以下・しおたん)-
私は、フリーランスでありつつ週2回、お菓子屋さんのスタートアップBAKEに通っているので。いつもの場所に行けばいつもの仲間が居るっていうのはやっぱりいいですね。
ムラマツヒデキ(以下・ムラマツ)-
俺はひたすらチャットしてる。フリーランスの人ばっかりがいるチャットをしてるんですよ。夜の4時くらいにチャットしたりしてストレスを解消したりしてますね。あと結構呑みにいくようにしてるかな。
しおたん-
確かに。ムラマツさん、チャットのレス超早いですよね。
モリ-
以前、もっと人と交流した方がいいかなと思ったときは、コワーキングスペースに入ったりしたことありました。でも、結局人と交流したいニーズは満たされるんですけど、人と交流してばっかりで、仕事進まないんですよ。
しおたん-
たしかに。界隈の人が集まる場所で仕事してると、すごい声かけられるんですよね。人と喋れるのは嬉しいんですけど、さすがに30分刻みで声かけられると、原稿が全然進まなくて…。前もTwitterで「FabCafeなう」ってつぶやいたりすると、エラいことになりました(笑)。思わぬ出会いもあって嬉しいんですけど、締め切りに追われてる身としては、静かにしてた方が良かった。
モリ-
ライターとコワーキングスペースは、作業ちゃんとしたいなら相性悪いかもしれないですね。人とのつながりは作れるので、取材先確保とかネットワーク作りにはいいんですけど、仕事場として書きにいってると、原稿書く時間がなくなるんですよ。
– ひとりだと生活サイクルとか大変なことになりません?
モリ-
僕は完全に業務サイクルや締め切りドリブンで動いてますね。仕事によって生活リズムが決まる感じです。
しおたん-
私は月・木にBAKEに行って、水曜も朝からコルクに行くので、それのおかげでなんとなくリズムが……。ぼっちだと絶対無理だと思います!
ムラマツ-
あー、でも俺は前出向してたとき、すごくしんどかったなぁ。その仕事のためにいろいろ調整したりして。二日前とかに夜型の生活してるとこれはやばいかも。とかなってた。(笑)
しおたん-
ムラマツさん超夜型ですよね。チャット履歴がほとんど深夜。
体力の衰えと共に感じる将来への絶望
– フリーランスって将来的な不安とかありますか?
モリ-
あります。今の仕事のやり方じゃ10年後はきついなとおもっていて、今みたいに結構体力に任せて早くたくさん書くとか、フットワーク軽く動くとかはできないだろうなと思ってます。それをどうするかですね。
しおたん-
私は、むしろフリーランスの方が今後の働き方を想像しやすかったかも。女だからというのも大きいと思うんですけど。執筆業をしっかりと息長く続けられれば、家事して、育児して、文章書いて…っていう生活は、会社員よりも想像しやすかった。とはいえ毎日のように自分に絶望したり、不安に思うことは山ほどありますけど、まぁ、たぶん大丈夫です。
ムラマツ-
僕は、将来的には法人にしようと思ってる。けど、それ以外は困ったらそのとき考えようかなって感じで。フリーランスを10年やってても社会的に評価はあまりされないけど、会社10年やってたから社会的に評価されるからね。世間的にも会社やってて何年続けた方がいいとかってのは明確にあるから。だから会社にしようと思う。例えば次に転職するにもどっちがいいかっていったらそっちのほうがいいから。
モリ-
僕も、会社にしようと思ってます。
しおたん-
そういえば家借りるの超大変でした。フリーランスになって半年で、確定申告もしてないから。請求書かき集めて審査してもらいましたね。
モリ-
フリーランスの人って前年の納税証明がいくら稼いでいるかの証明になりますもんね。僕も毎回引っ越すたびにハラハラしてます。
ツラい部分以上に、自分を試せる環境がいい
— ここまで話した感じだと、あんまりツラくない感じですかね…?
ムラマツ-
フリーランスは別にツラくないよ! 会社員が一番大変かもね。しいていうなら毎回毎回試されるのはすごい大変。フリーランスは失敗したら次はないからね。
しおたん-
でも、逆に1発目2発目で上手くいっちゃうと、期待され過ぎちゃって。そんな毎回上手くいくことってないじゃないですか。私みたいに記事がバズって盛り上がってワー! みたいな職種だと、みんな、一番バズった記事だけ読んでたりするから、期待値がどんどん上がっちゃってるんですよね。「しおたんが書けば売れる!」「しおたん砲を仕入れました!」みたいになってて(汗)。
ムラマツ-
でもそのプレッシャーがゾクゾクして楽しい部分はあるね。最初はかなりストレスなんだけど、慣れてくるとね。
モリ-
僕も会社員の方が大変だと思いますね。時間を拘束されるだけでも大変だと思います。
ムラマツ-
生産性はあまり高くないと思うよ、会社員は。寝不足が続く中、目を擦りながら仕事したりしてね。フリーランスは気分が乗ってれば変な時間に起きて仕事できたり、逆に調子が悪ければ昼間にゲームしたり、頑張れば頑張っただけ稼ぎも増えるしね。
しおたん-
そうですね。クライアントから「今月、いろいろ追加でお願いしちゃったから、そのぶん請求に乗せといてね!」って言われると、あぁ私はフリーランスなんだ……ってひしひし実感します。
ツラいこともあるけれど、実力があれば確実に成果を残せる。フリーランスの苦労も魅力も両方をお伺いすることができました。皆様、これからもご活躍期待しております!
Guest
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Junya Mori
モリジュンヤ
1987年2月生まれ、岐阜県美濃加茂市出身。横浜国立大学経済学部卒業後、『greenz.jp』編集部を経てフリーに。『THE BRIDGE』『マチノコト』など複数のメディアの運営に携わり、幅広いテーマで執筆活動を行っている。 -
Mai Shiotani
塩谷舞
1988年大阪の千里生まれ。京都市芸大卒・SHAKE ART!初代代表。CINRAを経てフリーランスに。PRや執筆などがおしごと。お菓子屋さんのオウンドメディアTHE BAKE MAGAZINE編集長。DemoDay.Tokyo運営中。インターネットが大好き。 -
Hideki Muramatsu
ムラマツヒデキ
2007年から都内Webプロダクション数社にて大規模企業サイト、プロモーションサイト、ECサイトなど、多岐に渡るWebサイト制作を行いQUOITWORKS名義にて2013年フリーランスへ転向。プライベートワークとして縦長のwebデザインギャラリー「MUUUUU.ORG」の運営を行う。最近の仕事として「沖縄戦 全記録」(デザイン)などがある。 -
DOOR Shibuya
(店舗提供)
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by Monstarlab Design Journal
Monstarlab Design Journal 編集部です。 モンスターラボデザインチームのデザインナレッジとカルチャーを発信していきます。
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Overview
×- 社名
- 株式会社A.C.O.
- 設立
- 2000年12月
- 資本金
- 10,000,000円
- 代表者
- 代表取締役 長田 寛司
- 所在地
- 〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー6F